続いた低迷期をついに脱し、2022年F1の台風の目になっているスクーデリア・フェラーリ。チームは、第2戦サウジアラビアGPの舞台裏を捉えた動画を公式YouTubeチャンネルにアップした。
開幕戦バーレーンGPを3年ぶりの勝利とワン・ツーフィニッシュで飾ったフェラーリは、その勢いのまま第2戦の舞台サウジアラビアに乗り込んできた。
名門復活のきざしに士気が高まる木曜日のピットは、動画からでも活気が感じられる。カルロス・サインツとシャルル・ルクレールも肩を並べてガレージで談笑すると、一緒にグッズにサイン。木曜日のF1ドライバーたちの仕事をこなしていく。
今季からスケジュールが変更され、これまで木曜日に行われていたメディアセッションは金曜日の実施となった。もちろん昨年どおり60分間のフリー走行も2セッション行われるため、ドライバーたちは忙しく金曜日を過ごすことになる。
さらに、このサウジアラビアGPではイレギュラーもあった。ジェッダ・ストリート・サーキット近郊の施設にミサイル攻撃があり、レース続行を巡って金曜夜に緊急のドライバーズブリーフィングが行われたのだ。
動画によるとこの会議が終わったのは午前2時半。さすがのドライバーたちもお疲れの様子で、ルクレールが「眠りたい」とぼやくと、サインツも「なにか食べたい」と続け、ふたりはホテルに帰っていった。
しかし、この疲れをものともせず、翌日の予選でルクレールは2番手、サインツは3番手を獲得。タイヤの扱いに苦戦したというルクレールだが、「それでも素晴らしいポジションだ」とレースに向けた手応えを感じている様子だ。
いよいよ日曜日。大勢のファンが詰めかけたジェッダの街も夕暮れに入り、レースへの緊張感が高まる。パドックには椅子をネット代わりに並べ、トレーナーとサッカーボールを蹴り合うルクレールの姿があった。もちろん遊んでいるわけではなく、2連勝がかかるレースに向けたルクレール流のウォーミングアップのようだ。
決勝レースはフェラーリとレッドブルの一騎打ちの様相を呈した。激しいバトルのたびにフェラーリのピットは歓声に湧き、イタリアンチームらしい熱さでふたりを応援する。
勝利はレッドブルのマックス・フェルスタッペンの手に渡ったが、ルクレールは2位、サインツは3位でフィニッシュ。満足げな表情でパルクフェルメに戻ったふたりは、チームからの暖かい歓迎を受け、2戦連続のダブル表彰台を喜びあった。今シーズンのフェラーリの強さが本物だと証明するレースだった。