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 インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催されたNTTインディカー・シリーズ第5戦GMRグランプリ。14日に行われた決勝レースは、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)が今季初勝利を飾った。

 13番手スタートからレースに挑んだ佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)は、8位フィニッシュとなった。

 レース前の降雨の影響でウエットコンディションでスタートを迎えたGMRグランプリ。ポールポジションのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を先頭にターン1へと進入していく。

 パワーはトップをキープするもパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)とアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)に交わされ、チームメイトのジョセフ・ニューガーデンにも接触。1周目で順位を落としてしまう。

 パワーを交わしたフェリックス・ローゼンクヴィストは2周目にパロウを交わし、アロウ・マクラーレンSPの1-2体制に。

 14番手スタートのコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)は2周目終わりでピットインしレインタイヤからレッドタイヤへと変更するギャンブルを敢行。佐藤琢磨も1周目で他車と接触しポジションダウンしピットイン。同じくレインタイヤからスリックタイヤに変更する。

 この状況を見て、各車続々とピットへ向かいスリックに変更していく。いち早くタイヤを変更したハータは、滑るマシンを抑えながらオワードを交わし、一気にトップへと浮上。

 滑る路面に苦戦しパロウもターン10でスピンを喫しコース上にストップ。6周目にイエローコーションとなる。

 トップはハータ、2番手にオワード、ローゼンクヴィスト、パワー、コナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)の順で、琢磨は一気に7番手へジャンプアップした。

 10周目にリスタート。ハータはひとり1分11秒台で走行しオワードとの差を広げていく。

 16周目、琢磨はニューガーデンとサイド・バイ・サイドに並びオーバーテイク。交わされたニューガーデンはロッシにも交わされ、さらにジャック・ハーベイ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)と接触。右リヤを破損しマシンをストップ。2度目のイエローコーションに。

 レース再開は21周目。琢磨はターン1でパワーのインに入り4番手を奪取。しかし、スピンを喫したリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)がデブリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー)と接触。再びイエローコーションに。

 25周目にグリーンフラッグ。ハータはトップをキープすると33周目にピットイン。4番手の琢磨もこの周にピットへ。

 翌周にオワード、さらに次の周にローゼンクヴィストがピットイン。ローゼンクヴィストは、ピットアウトでハータと並ぶも前に出ることはできない。ここでダルトン・ケレット(AJフォイト)がコースアウトを喫し再びイエローコーションとなる。

 マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)、カイル・カークウッド(AJフォイト)はステイアウトとなり、ハータは3番手、ローゼンクヴィスト、オワードと続き、琢磨はハーベイに交わされ7番手に。

 ここでインディアナポリス・モータースピードウェイは再び雨雲に覆われ、イエローコーション中に雨粒が落ちてくる。ロッシはこのタイミングでレインタイヤに変えるギャンブルへ。

 エリクソンをトップに42周目にリスタートを迎える。ターン1でオワードがローゼンクヴィストのインを差すもスピンを喫し同士討ち。琢磨も2台を避けてスピン。再びイエローコーションとなる。

 2番手のカークウッドはここでピットイン。後方に下がってしまった琢磨もレインタイヤへと変更する。

 46周目にレースは再開。ハータはエリクソンを交わしトップに。マクラフラン、ハーベイもエリクソンを交わしていく。

 雨は予想とは裏腹にあまり降らずドライタイヤ勢が優勢でウエットに変更したドライバーたちは大きく後退。琢磨もピットインしタイヤをドライタイヤに変更する。

 51周目、グロージャンが3番手のハーベイと並ぶも接触しスピン。表彰台争いから大きく後退。ハーベイもシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)、オワードに交わされてしまう。オワードは55周目にパジェノーを交わし3番手に。

 57周目、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)が単独スピンを喫し6度目のイエローコーションとなる。ピットレーンがオープンとなると各車ピットイン。雨は少しずつ強くなるもスリックタイヤを選択していく。

 このピット作業でマクラフランがハータを交わしトップに浮上。イエローコーション中にスピンを喫する車が多く、ハータは再びピットインしウエットタイヤに変更。多くのドライバーが続き、マクラフラン、オワード、グロージャンはステイアウトしスリックタイヤでレース再開を待つことに。

 このイエローコーション中に2時間レースのタイムレースに変更が発表される。さらにコーション中にグロージャン、そしてリーダーのマクラフランがスピンし後退。

 残り15分、オワード、ハータ、パジェノー、パワー、マクラフラン、グロージャンの順でレース再開を迎える。スリックタイヤのオワードをハータがターン1でオーバーテイク。しかし、ターン3でマクラフランがスピンを喫し再びイエローとなる。

 ハータ、オワード、パジェノー、パワー、デイリーの順となり、スポット参戦するファン・パブロ・モントーヤ(アロウ・マクラーレンSP)は6番手に。

 イエロー中にドライタイヤのオワードが痛恨のスピンで4番手に後退。残り6分で再びレースは再開を迎える。

 琢磨はウエットコンディションでオーバーテイクを見せ7番手に浮上。しかし、モントーヤと接触しポジションダウン。トップのハータもターン1でオーバーランするもなんとかレースをリード。

 残り2分を切ったところでモントーヤがクラッシュし、再びイエローコーションとなる。レースはここで2時間を経過し、75周で終了。雨に翻弄されたGMRグランプリは、コルトン・ハータが今季初勝利を収めた。

 2位にパジェノー、3位にパワー。序盤上位を争った佐藤琢磨は、不運のスピンでポジションを大きく落としたが8位入賞を果たした。

NTTインディカー・シリーズ第5戦GMRグランプリ決勝レース結果

Pos. No. Driver Team Engine Laps SP
1 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 75 14
2 60 S.パジェノー メイヤー・シャンク・レーシング H 75 20
3 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 75 1
4 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 75 18
5 20 C.デイリー エド・カーペンター・レーシング C 75 4
6 7 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレンSP C 75 6
7 77 C.アイロット フンコス・ホーリンガー・レーシング C 75 7
8 51 佐藤琢磨 デイル・コイン・ウィズ・RWR H 75 13
9 30 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 75 8
10 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 75 21
11 27 A.ロッシ アンドレッティ・オートスポート H 75 16
12 18 D.マルーカス デイル・コイン・ウィズ・HMD H 75 24
13 45 J.ハーベイ レイホール・レターマン・ラニガン H 75 9
14 06 H.カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 75 19
15 11 T.カルデロン A.J.フォイト・レーシング C 75 25
16 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 75 12
17 5 P.オワード アロウ・マクラーレンSP C 75 5
18 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 75 11
19 28 R.グロージャン アンドレッティ・オートスポート H 74 10
20 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 74 2
21 29 D.デフランチェスコ アンドレッティ・スタインブレナー H 73 17
22 48 J.ジョンソン チップ・ガナッシ H 73 27
23 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 73 15
24 6 J.P.モントーヤ アロウ・マクラーレンSP C 72 23
25 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 60 3
26 14 K.カークウッド A.J.フォイト・レーシング C 53 22
27 4 D.ケレット A.J.フォイト・レーシング C 34 26

※編集部調べ