アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシは、現在チームは予想以上に多くの信頼性の問題に直面しており、問題のほとんどはポーパシングによるものだと明かした。
アルピーヌのシーズンスタートは、一連の異常な信頼性の問題に苦しめられており、フェルナンド・アロンソはチームメイトのエステバン・オコンよりも頻繁にメカニカルトラブルに見舞われている。このことは彼らのチャンピオンシップの順位にも表れており、オコンが24ポイントを獲得しているのに対し、ベテランのアロンソはたったの2ポイントしか獲得できていない。アロンソは、第3戦オーストラリアGPではセカンドロウからのスタートが確実視されていたが、予選Q3でのアタック中にマシンが完全にシャットダウンし11コーナーでクラッシュ。それ以外にもアロンソの走行を危険にさらす小さな不具合があった。
マイアミで、ロッシは信頼性の問題について次のように語った。
「予想していた以上に多い信頼性の問題に直面している。一部の問題には驚かされたと言えるだろう。いくつかは昨年のマシンから引き継がれたパーツが原因となっているが、それらのパーツは2021年には何の問題もなかったのだ」
「バルセロナでの最初のテストでは、こうした問題は何も見られなかったが、それほど長いスティントを走っていなかったのも事実だ。その後のバーレンテストでは、いくつかの問題が起き始めた。以前ほどの信頼性がなくなり、我々は少々驚いた」
「そのため、すべての問題の分析を始めた。そして信頼性の問題のほとんどは、ほぼすべてのマシンがテスト開始以来苦しんでいる、極端なポーパシングの直接的な結果によって起きているという結論に達した。バルセロナで深刻なポーパシングの問題が出ず、そうした問題が出る兆候も目にしていなかったからかもしれないが、現在では極端なポーパシングにマシン全体が影響を受けている」
「コースの高速セクションでA522が起こす垂直振動によって、パーツが緩んだり壊れてしまうので、我々はすでにいくつか対応を行い、今後のレースではさらなる対策が講じられる予定だ。これ以上リタイアをする余裕はないし、毎回のレースでマシンを2台ともチェカーフラッグまで走らせたい。可能ならポイント圏内でね」
アルピーヌにとっての朗報は、先週末のマイアミGPでA522が今シーズンで最も信頼性の高い走りをしたことだ。それにアロンソが2回の5秒ペナルティを受けなければ、彼とオコンのふたりともが今シーズンのアメリカでの初レースでポイントを獲得できたかもしれなかった。アロンソはガスリーに衝突したことでレース中に1回、そしてターン14をショートカットしてアドバンテージを得たことでレース終了後にさらに1回のペナルティを科されたが、これに対しチームは意義を唱えている。