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 第90回ル・マン24時間レースにLMP2プロ/アマクラスから出場しているフィリップ・シマドモが、スチュワード(審査委員)からレースへの出場を禁じられた。これにより、彼がステアリングを握るTDSレーシング×バイヨン13号車オレカ07・ギブソンの決勝レース出走に、疑問符がつく事態となっている。

 62歳のブロンズドライバーであるシマドモは、6月8日から始まったレースウイークの走行セッションにおいて、すでに複数の事故に絡んでいる。

 フリープラクティス1ではアクシデントを引き起こしたとしてスチュワードに報告された後、同じセッションでピット入口でも事故を起こしそうになっていた。

 その後、9日のフリープラクティス3ではポルシェカーブでコントロールを失い、赤旗が提示される大事故へと発展した。

 これらの結果、「自身と他の競技者の安全のため」、シマドモはスチュワードから出走資格がないと判断された。

 レースディレクターからの報告を受けたスチュワードは、シマドモとチームマネジャーをレースコントロールに呼び出すと同時に、スチュワードへのドライバー・アドバイザーを務めるFIA任命のヤニック・ダルマスからも話を聞いた。

 スチュワード・ディシジョンのブルテンには、以下のように記されている。

「ドライバー・アドバイザーの観察および意見では、当該ドライバーはとくにル・マンのサーキットと競技の特殊性、およびこの特殊な状況におけるLMP2マシンの特性を考慮し、残りのイベントへと安全に参加するために必要な基準で運転していない、とのことである」

「ドライバーはスチュワードに対し、これまでELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)でLMP2車両を使用して無事故で戦ってきたこと、FP1およびFP3での事故は、瞬間的な過ちであったことを説明した」

「さらに、練習走行を通じて経験を積み、競争力に自信が持てるようになったと感じている、と述べた」

「しかしながらスチュワードは、現時点では無視できないパターン(繰り返し)が存在すると結論づけた」

 フランス籍のTDSが、ル・マンへの参戦を継続するために代わりのドライバーを探すかどうかは、現時点では不明だ。FP3でのシマドモのアクシデントにより、マシンはモノコックに損傷を受けており、新しいものへと交換する必要が生じている。

 シマドモはゴールドドライバーのマティアス・ベッシェと、シルバーにレーティングされるティメン・バン・デル・ヘルムとともに、13号車をドライブする予定となっていた。

 なお、スチュワードは今回の決定について「この特定の状況に基づいており、この時点でのみ有効であることをとりわけ強調する。このドライバーの将来の競技会出場能力について、いかなる推論もしてはならない」としている。

ピットで整備されるTDSレーシング×バイヨンの13号車オレカ07・ギブソン
ピットで整備されるTDSレーシング×バイヨンの13号車オレカ07・ギブソン