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 フランスのサルト・サーキットで開催されているWEC世界耐久選手権第3戦/第90回ル・マン24時間レースでは、9日木曜の走行を前に、ハイパーカークラスのBoP(性能調整)変更が行われ、アルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソンの最大出力が増やされた。

 6月1日に発表されていたBoPの数値と比較すると、アルピーヌは最大出力で7kWの向上措置を受け、427kWの出力が使用可能となった。合わせて、1スティントあたりの使用可能エネルギー量も11MJ増やされ、785MJとなっている。

 同クラスにエントリーするトヨタGAZOO RacingのGR010ハイブリッド、グリッケンハウス・レーシングのグリッケンハウス007 LMHには、9日に発表されたBoPブルテンではいずれの数値にも変更は加えられていない。

 LMP1ノンハイブリッドマシンでハイパーカークラスに参戦しているアルピーヌは、これで開幕戦のセブリング1000マイルレース以降にBoPにより削減されていた20kWを、1日の変更で10kW、今回の変更でさらに7kWと、計17kW取り戻す形となっている。セブリングでは、アルピーヌのニコラ・ラピエール/マシュー・バキシビエール/アンドレ・ネグラオが総合優勝を遂げていた。

 ル・マンでは、5日のテストデーでのマシンのストレートスピードにドライバーたちが懸念を示していたほか、8日に行われた予選のセッションでは、ラピエールが3分29秒656と、トップのトヨタ7号車から約2.4秒離される4番手となっていた。

 各クラスの上位グリッドを決する『ハイパーポール』を前に行われたこのハイパーカークラスのBoP変更は、前日8日に行われたLMGTEクラスのBoP変更に続いて実施されたもの。いずれも、さらなる変更のアナウンスがなされるまで、現状の数値が維持される。