IMSAは、ミシュランのレースタイヤの在庫をプライベートテストよりも公認イベント用に優先的に供給させる予定だ。これは世界的な出来事によって、最近多くのサプライヤーが影響を受けているサプライチェーンの問題により、レースタイヤの供給量が制限されることが予想されるための措置である。
ミシュラン・モータースポーツが5月6日(金)にアナウンスしたこの変更は、フランスのタイヤメーカーとIMSAが共同で合意したものであり、ウェザーテック・スポーツカー選手権をはじめ、ミシュラン・パイロット・チャレンジ、プロトタイプ・チャレンジ、さらにポルシェカレラカップ・ノースアメリカのチームに影響を与えることになる。
ミシュランは声明を通じ、「世界経済における継続的な課題は、ミシュランのモータースポーツタイヤ事業の多くの側面に影響を与え続けている」と述べた。
「過去1年、この問題はミシュランが予定されているイベントのためにモータースポーツ向け製品を優先的に供給すると同時に、在庫を確保する能力に影響を及ぼしてきた。これにともない、今シーズンの終了まで特定のモータースポーツ用タイヤのラインとディメンションについて、注意深く供給状況を監視・管理する必要がある」
「ミシュランはIMSA公認イベントのレースタイヤ在庫を優先し、ミシュランタイヤを使用する2022年シーズンの選手権終了までの間、充分な供給量を確保する予定だ」
「その結果として、レーシングチームはプライベートテスト用のタイヤを入手できない可能性がある」
一方、フランスのメーカーは、すでにIMSAから今後のプライベートテストの承認を得ている一部のウェザーテック選手権参加チームには「数量限定」でタイヤを供給するとしている。また、その他のテストや他のシリーズについては、チームは手持ちのレーシングタイヤを自由に使用することが可能だ。
声明は「これらの措置により、この期間中にIMSA公認イベントで適切な量のタイヤが使用できるようになる」と締めくくられている。
プライベートテストが完全に禁止されたわけではないが、この変更により残りのシーズンの間、チームがテストを実施する機会が大幅に減少することが予想される。
なお、少量生産のタイヤを活用して進行しているLMDhテストや、タイヤ開発テストには影響がないものと考えられている。
IMSAのジョン・ドゥーナン代表は、「IMSAはイベントの継続的な成功のために、日々グローバルサプライチェーンを監視しているミシュランと緊密に協力している」と語った。
「我々は彼らがCOVID-19パンデミックの間中、IMSAの競技と成長をサポートするために示したコミットメントに感謝している」
元マツダ・モータースポーツのボスである同氏は、「今回のことがチームにとっては課題になることは分かっているが、最終的なプライオリティはレースウィークエンドであることは誰もが認めるところだ」と付け加えた。
ミシュランはまた、原材料費や製造、ロジスティクスにかかるコストの継続的な上昇を理由に、IMSAのレースで使用されるすべてのタイヤの価格を6%引き上げることを決定している。