6月4日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第5戦『シボレー・デトロイト・グランプリ・プレゼンテッド・バイ・リア』がデトロイトのベルアイル・パークで行われ、チップ・ガナッシ・レーシングが運営するキャデラック・レーシングの01号車キャデラックDPi-V.R(ランガー・バン・デル・ザンデ/セバスチャン・ブルデー組)が優勝した。
シリーズ最高峰カテゴリーのDPiと、GT3カーを用いるプロ・アマクラスのGTDの2クラス計16台が参加した今戦は100分間のスプリントレース。その決勝に向けた予選ではキャデラック・レーシングのブルデー駆る01号車がポールポジションを獲得し、GTDクラスではバッサー・サリバン17号車レクサスRC F GT3に乗り込んだカイル・カークウッドがクラスポールを奪った。
土曜日に行われた決勝は気温23度/路面温度48度、晴天のもとドライコンディションでスタートを迎え、オープニングラップはブルデーがポジションをキープに成功。メイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-05とウェイン・テイラー・レーシング(WTR)の10号車コニカミノルタ・アキュラARX-05が続いた。
一方、GTDクラスのポールシッターであるカークウッドは順位を守れず、ロマン・デ・アンジェリスがドライブする27号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシング)に首位の座を奪われてしまう。
2番手に順位を下げた17号車レクサスは、予選順位と同じ3番手を走る1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)とともに27号車に食らいつき再逆転の機会を窺う。
その時はスタートから40分を迎える直前に訪れた。多くのGTDカーが今レース唯一のピット作業を行ったこのタイミングで、27号車アストンマーティンは1周ステイアウト。17号車レクサスはさらにもう1周コースに留まった。
ピットでカークウッドからベン・バーニコートに交代した17号車がコースに復帰したとき、ロス・ガン駆る27号車はまだ最終コーナーにおり2台の順位が入れ替わる。レクサスはオーバーカットによりトップの座を取り戻すことに成功した。
スタート直後から3台による接近戦が続くDPiクラスは、3番手につける10号車アキュラがスタート40分後に、上位陣では先陣を切ってピットに向かう。首位01号車キャデラックと2番手60号車アキュラはレース折り返しのタイミングで同時ピットイン。ピット作業勝負となったが、ここでは順位に変動はなくピットアウト後はもとのオーダーに戻る。
■ピポ・デラーニが上位集団を猛追。最後尾から3番手に
レース開始から1時間過ぎ、最後まで燃料が保たない10号車がふたたびピットに入り、ポディウム圏内からクラス最後尾に順位を落とす。これに代わって02号車キャデラックDPi-V.R(キャデラック・レーシング)が表彰台圏内に浮上。WRT同じく2ストップ作戦ながらレース序盤と中盤にピットインし、一時はクラス最後尾に落ちた31号車キャデラックDPi-V.R(ウェーレン・エンジニアリング・レーシング)が4番手となる。
レース時間残り20分、両クラスともにトップ3が接近戦を繰り広げるなか、DPiクラス4番手のデラーニが驚異的なペースで追い上げてくる。15秒以上あった前車との差を1秒以内とし、トップ集団に追いついた。デラーニの勢いは止まらずホームストレートからターン3にかけて02号車キャデラックを相手にサイドバイサイドに持ち込み、これを右コーナーのイン側から交わして3番手となる。
さらに前を狙うデラーニだったが、オリバー・ジャービス駆る60号車アキュラ攻略には至らず。反対に、残り3分で02号車のアール・バンバーに3番手を奪い返されてしまう。
この2台を含むトップ4台の接近戦はファイナルラップまで続くもバン・デル・ザンデは最後までトップを譲らず、01号車キャデラックがポール・トゥ・ウインを飾った。60号車アキュラは3戦連続の2位、チップ・ガナッシの02号車キャデラックが3位表彰台を獲得している。
なお、4位でチェッカーを受けた31号車キャデラックは、レース後の車検で規定の車両最低重量を満たしていないことが発覚したため、クラス最後尾へと降格となった。
GTDクラスはバーニコートと、アストンマーティン・ワークスドライバーであるガンのトップ争いが続いたが、最後は17号車レクサスが後続を振り切ってトップフィニッシュ。普段はGTDプロを戦うRC Fでポール・トゥ・ウインを飾っている。27号車アストンマーティンは2.2秒届かず。クラス3位表彰台はポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3が獲得した。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第7戦は、6月23~26日にアメリカ・ニューヨーク州のワトキンス・グレンで開催される『サーレン・ザ・グレン6時間』だ。