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 6月4日、2021/2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”第9戦ジャカルタE-Prixがインドネシア・ジャカルタで開催され、ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が優勝を飾った。

 フォーミュラE初開催となったインドネシアラウンド。首都ジャカルタに設営された特設サーキットには、インドネシア大統領ジョコ・ウィドドとジャカルタ知事アニス・バスウェダンも訪れ、6万人以上のファンとともに観戦を行った。

 そんなジャカルタE-Prixの予選で記念すべき初ポールポジションを獲得したのは、ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)となり、2番手にチームメイトのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが続き、DSテチーターがフロントロウを独占する結果に。

 決勝レースでもDSテチーターの2台はスタートからトップ2を走り続け、ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が3番手、エドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)4番手、ジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)が5番手、オープニングラップで順位を上げたストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)が6番手に続く。

 レース開始直後にはオリバー・ローランド(マヒンドラ・レーシング)のタイヤが外れてしまったため、1周目から早くもセーフティカー(SC)が導入される。SC解除後、3番手エバンスがダ・コスタのオーバーランを見逃さず2番手に浮上する。

2022フォーミュラE第9戦ジャカルタE-Prix 決勝レーススタート
2022フォーミュラE第9戦ジャカルタE-Prix 決勝レーススタート

 7周目、ベルニュは先頭集団のなかで最初にアタックモードに入り、チームメイトのダ・コスタもそれに続き、一時はエバンスがトップに立つ。9周目にはエバンスがアタックモードのアクティベートゾーンを通過したため、ベルニュが再び隊列の先頭に返り咲く。

 20周を終えた時点で、トップのベルニュは2番手以下のエバンス、モルタラ、ダ・コスタ、バンドーン、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)に1秒のリードをつけ順調にトップを走行。

 レースは残り10分、タイトル争いでもライバルとなるベルニュとエバンスは0.5秒差でバトルを繰り広げる。そして31周目、エバンスがターン7で首位ベルニュ接近し、ブレーキングでオーバーテイクに成功する。

 エバンスはその後も危なげなく先頭を走りフィニッシュ、今季3勝目を飾る強さをみせつけた。2番手に後退したベルニュは終盤モルタラともバトルを展開するが2位を守り、モルタラが3位でチェッカーを受けた。

「新しいコースや新しい気候など、新しいことばかりで、どうなるか本当に分からなかったけど、この結果にはとても満足しているよ。決して楽な戦いではなかったけど、巻き返すことができたね」とエバンスは優勝の喜びを語った。

 2位フィニッシュのベルニュは「いいレースだった。ミッチ(エバンス)とジャガーの速さには脱帽だね。とにかく2位は良かったし、ポイントも獲れたから、この調子で残りの選手権を戦っていきたい」とエバンスを称賛する。これで第9戦まで終了した今季のフォーミュラE。次戦は7月2日にモロッコ・マラケシュで第10戦が開催される予定だ。

ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)
ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)
ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)
ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)
ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)
ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)
セバスチャン・ブエミ(ニッサンe.ダムス)
セバスチャン・ブエミ(ニッサンe.ダムス)
2022フォーミュラE第9戦ジャカルタE-Prix 表彰式
2022フォーミュラE第9戦ジャカルタE-Prix 表彰式

■2022フォーミュラE第9戦ジャカルタE-Prix 決勝順位結果

Pos. No. Driver Team Laps QF
1 9 M.エバンス ジャガーTCSレーシング 40 3
2 25 J-E.ベルニュ DSテチーター 40 25
3 48 E.モルタラ ロキット・ベンチュリ・レーシング 40 4
4 13 A.F.ダ・コスタ DSテチーター 40 2
5 5 S.バンドーン メルセデスEQフォーミュラEチーム 40 7
6 27 J.デニス アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 40 5
7 11 L.ディ・グラッシ ロキット・ベンチュリ・レーシング 40 6
8 94 P.ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 40 11
9 10 S.バード ジャガーTCSレーシング 40 14
10 23 S.ブエミ ニッサンe.ダムス 40 6
11 36 A.ロッテラー タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 40 8
12 3 O.ターベイ NIO 333フォーミュラEチーム 40 16
13 28 O.アスキュー アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 40 19
14 22 M.ギュンター ニッサンe.ダムス 40 15
15 29 A.シムズ マヒンドラ・レーシング 40 20
16 37 N.キャシディ エンビジョン・レーシング 40 13
17 4 R.フラインス エンビジョン・レーシング 40 21
18 33 D.ティクトゥム NIO 333フォーミュラEチーム 40 18
19 7 S.セッテ・カマラ ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ 40 17
NC 99 A.ジョビナッツィ ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ 35 22
NC 17 N.デ・フリース メルセデスEQフォーミュラEチーム 29 9
NC 30 O.ローランド マヒンドラ・レーシング 1 12