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現行ジムニーはなぜバカ売れ!? 歴代モデルと何が違う!?

 2018年にデビューした現行ジムニー。すでに4年近くが経過しているにもかかわらず、未だ納車まで1年以上の時間を要するほど人気っぷり。

 ジムニーの歴史は50年以上とご長寿モデルであるが、歴代モデルを振り返ってみてもここまで注目を集めるのはほぼ初。一体なぜここまで現行モデルが支持されているのか!?

文/永田恵一、写真/SUZUKI

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■50年以上も同じコンセプトを追求!! 悪路走破性は世界トップの実力

2018年登場の現行型スズキ ジムニー。初代が登場したのは1970年なので50年以上の歴史を持つ

 スズキ ジムニーは軽自動車、そしてボディサイズを拡大し1.5リッターエンジンを搭載したシエラから構成される本格オフローダーだ。

 2018年に現行型4代目モデルが登場してからもうすぐ4年が経つが、その人気はまったく衰えず、納期は未だ1年と非常に長いのだ。今回は改めて現行ジムニーを振り返り、その人気が未だ続いている理由を考えてみた。

 ジムニーは1970年登場の初代モデルからジムニー、シエラなどともに軽自動車ベースという小ささ、軽さを生かし、世界トップレベルの悪路走破性を持つ本格オフローダーである。

 それだけに20年振りのフルモデルチェンジとなった現行モデルも新開発されたラダーフレーム、エンジン縦置きのFRレイアウト。そして副変速機付パートタイム4WD、前後リジットアクスルサスペンションといった、悪路走破性を高めるためのメカニズムは初代モデルから踏襲しているのだ。

 しかし、現行モデルは久しぶりのフルモデルチェンジであったため、機能性を重視したボクシーなエクステリア、インテリアだけでなく、エンジンの変更、悪路走破性においても横滑り防止装置を使ったブレーキLSDやヒルディセンドコントロール、自動ブレーキの装着など、現代的なアップデートも行われた。

 ジムニー、シエラともに長い納期となっているモデルだけに、これまでに受けた改良は昨年9月の一部仕様変更だけである。

 この際にはジムニー、シエラともに自動ブレーキなどから構成されるスズキセーフティサポート非装着へのオートライト、AT車へのアイドリングストップの装着、ジムニーにはスペアタイヤロアカバーの追加が行われた。

 なお、ジムニーの日本での年間販売目標台数は登場時から現在までジムニー/1万5000台、シエラ/1200台となっているのだ。

■たしかに納期長いけれど……2021年の実績は目標の10倍も生産していた

 現行ジムニーの販売台数は以下の通りだ。

現行ジムニーの販売台数

 ジムニーはシエラも含め納期が1年なだけに当然ながら、登場から4年が経っても販売は増加傾向という絶好調である。そしてジムニーは年間販売目標台数の3倍近く、シエラに至っては10倍近くを供給していることにも感心する。

 ただ、現場からは「いつまで経ってもバックオーダーが解消しない」、オーダーしたユーザーからは「いつ納車されるのだろう」という悲鳴も聞こえるのも事実である。

■ジムニーは燃費も快適性もイマイチ……それでも売れるワケとは!?

 考えてみると日本においてジムニーやランドクルーザーのような悪路走破性を必要とする人はほとんどいないだろう。また、ジムニーはシエラを含め先代モデルより劇的に良くなっているものの、オンロードではコーナーでのロールが大きいという側面も。

 また高速道路では直進安定性が良くなく、静粛性やシートの薄さも含め乗り心地は今一つなので快適性は高いとは言えない。そして燃費も良くないなど、弱点も多数存在するのだった。

 それでもジムニーがこれだけ売れる最大の理由は「現実的な価格でプロが使うような本物、世界レベルのクルマに乗れる」ということなのではないだろうか。

「一度スーパーカーやランドクルーザーのようなSUV、アメ車に乗ってみたい」といった潜在的な気持ちがある人は少くないと思う。しかし、実際には価格やボディサイズなどで難しいというのが現実だろう。

 その夢がジムニーであれば手の届く現実的な価格、小さな駐車スペースや軽自動車なら安い維持費で実現できるのだ。そして多少の不便や問題はあるにせよ、決定的なものではないだけに「とりあえず買ってみるか」という人も含めジムニーが支持されているワケだ。

 また、ジムニーは「ジムニーを買ったらどこにでも行ける」「オフロードコースでのスポーツ走行をしてみたい」「多数あるアフターパーツでカスタマイズもしたい」といった、それまで体験したことがなかった新しい生活を切り開ける可能性を持つというのも魅力である。

 ジムニーが持つ根源的な魅力に加え、ジムニーはボクシーなので見切りがよく運転しやすい、車内が意外に広い、伝統的にリセールバリューが高いので長い目で見れば安く付くといった点も、ジムニー人気を強く後押ししているのだろう。

 ジムニー人気を見ていると、日本車にも「後先を考えず買ってしまう、何らかの強烈な魅力を持つモデル」が増えるのを期待したい。

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