ロードレース世界選手権MotoGP(WGP)で活躍した故・阿部典史(ノリック)の長男で、全日本ロードレース選手権に参戦している阿部真生騎(Webikeチームノリックヤマハ)は、6月6~11日に開催されるYamaha VR46 Master Camp(ヤマハVR46マスターキャンプ)に参加する。全日本ロードレース選手権第4戦SUGOを欠場しており、イタリアではバレンティーノ・ロッシと会うことになりそうだ。
18歳の阿部真生騎は、2018年にロードレースをはじめ、2021年に全日本ロードST600クラスにデビューして数戦スポット参戦した。2022年はST600にフル参戦し、第2戦鈴鹿2&4と第3戦オートポリス2&4にはトレーニングを兼ねてJSB1000から参戦した。
そんな阿部真生騎は6月4~5日に開催される全日本ロード第4戦SUGOを欠場し、6~11日に行われるヤマハVR46マスターキャンプに参加する。これは、ヤマハとロッシが若手ライダーの育成を目指す『VR46ライダーズアカデミー』が共同で、イタリアで若手ライダーのトレーニングを行うものだ。
FIMアジアロードレース選手権に参戦してるインドネシア人、マレーシア人、ふたりのタイ人とともに5人が参加し、YZ250FでVR46モーターランチのフラットトラックを走り、YZ125のMXトラックでソフトクロストレーニングを受ける。また、ポンポーザ・サーキットでYZF-R3s、mini Supermoto Jeepers ParkではMiniGP YZ85にも乗ることになるという。
そのほか、ライディング以外のトレーニングも行い、SBK第4戦エミリア・ロマーニャラウンドにも訪問する予定だ。
ロッシはサインを持っているほど阿部典史に憧れており、自らをろっしふみと名付けて、引退した昨年まで毎年『ろっしふみがんばって!』と記されたステッカーをマシンに貼っていた。
ヤマハ・モーター・レーシングのマーケティング&コミュニケーション・マネジャーのウイリアム・ファベロが「バレンティーノは阿部典史の息子である阿部真生騎にも会ってみたいと思っていることだろう。彼の父親は、ロッシのキャリアにおいて、インスピレーションの源として重要な役割を担っていた」と語る通り、ロッシと阿部真生騎が対面し、一緒にバイクでトレーニングを行うことになるかもしれない。
阿部真生騎は「ロッシとは一緒に走ってみたいです。今回、日本人で参加するのは僕だけなので、しっかり気合を入れて、楽しんで走りたいです」とコメントした。
また、祖父でWebikeチームノリックヤマハの監督を務める阿部光雄氏も若手育成のための視察として同行するといい、「ダートは真生騎が速いと思います。バニャイアやマリーニのダートでの走りを見ていますが、遜色ない走りをすると思います」と語った。