16歳のアメリカ人ドライバー、ジョシュ・ピアソンは、今週末の第90回ル・マン24時間レースにおいて、史上最年少ドライバーとなることが決定している。ピアソンはその名誉に「胸を張ることができる」と考えており、クラス優勝への自信も覗かせている。
アレックス・リン、オリバー・ジャービスとともにユナイテッド・オートスポーツUSAの23号車オレカ07・ギブソンをドライブして2022年のWEC世界耐久選手権LMP2クラスに出場するピアソンは、16歳118日でル・マンにデビューする予定であり、2014年にグリーブス・モータースポーツからLMP2に出走したアメリカ人、マット・マクマリーの16歳202日を下回ることになる。
「(最年少記録は)頭の片隅にあるものだけど、僕にとってはうれしいボーナスだ」とピアソンは語った。
「このような歴史あるイベントに来て、その歴史の一部になるということは、どんなことが起ころうとも特別な何かだ」
「ル・マンの深い歴史の一部になれるとうことは、僕にとってはプレッシャーから解放されるし、胸を張れることだ」
「ル・マンは僕にとって特別なイベントだ。幼い頃から、ル・マンに関するドキュメンタリーや映画をたくさん見てきた。近年公開された『フォードvsフェラーリ』や、アウディのドキュメンタリー『トゥルース・イン・24』もね」
「このイベントはずっと大好きだったし、そこで戦ってみたかったし、勝ちたいものだった。だからこの場に自分がいられて、その機会を持てたことが嬉しい」
ル・マンは他のスポーツカーレースよりもプレッシャーがかかるとしながらも、ピアソンはLMP2の環境になじんでいることに安心感を覚えているようだ。
「今年これまでに参加してきた他のレースよりも、このイベントには長い歴史がある」とピアソン。
「でも、僕にしてみれば、再びステアリングを握って自分の仕事をすること、シーズンの他のレースでやってきたことをまたやるだけだ」
「セブリング(WEC開幕戦の1000マイルレース)では好成績を収め、夢のような一年のスタートを切ることができた。その後、第2戦スパでは残念にもドアが壊れるまでは、僕らはいいレースができていた。だけど、この先のレースに集中して、自分の仕事するつもりだ」
■開幕戦優勝でつけた自信。サポート体制も充実
ピアソンは今年、ふたつのシリーズですでに3勝を挙げている。アブダビで開催されたアジアン・ル・マン・シリーズのダブルヘッダーをポール・ディ・レスタとともに連勝し、WECセブリング1000マイルではジャービスも加えたライナップでLMP2クラス優勝を遂げている。
また、PR1/マティアセン・モータースポーツからエントリーしているIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では、セブリング12時間レースを含む2戦で4位というリザルトを得ている。
「自信を持ち続けることができ、マシンに乗るたびに少しずつ速くなっている」とピアソンは語っている。
「セブリングでの勝利はその後のレースに向けて大きな自信になったし、あそこでいい結果を残せていなかったとしても、自分の能力とアレックス、オリバーは仕事をきちんとしてくれることには、自信がある」
「どのみちル・マンには自信を持って臨めたと思うけど、開幕戦の勝利が僕らにとって大きな自信になったことは間違いない」
ピアソンは、ユナイテッド・オートスポーツの経験豊富な3人のプラチナ・ドライバーのサポートを受け、才能を存分に発揮している。リンとジャービスはル・マン前に『膨大なメモ』を彼に送った。また、デトロイトでのIMSAのレースからル・マン・テストデーに向けて移動したピアソンの穴を埋めるため、ディ・レスタはテストデーのみに参加した。
「レースに向けて必要なことを教えてくれる、いいチームだと思う」と、ピアソンは述べている。
「23号車は強力なクルーに支えられている。だから、このレースで勝つだけの力を持っているという自信はあるが、それは僕らがどう戦うかにかかっている」