F1を所有するリバティ・メディアのCEOグレッグ・マフェイは、F1に関心を持つ層に変化が生じつつあることから、現在のF1に非常に多数のスポンサーが加わってきていると語った。
ほぼ毎週のように、F1チームから新たなスポンサー契約の発表が行われている。オラクルやコグニザントといった巨大テクノロジー企業から消費財メーカーまで、昨年以来、多数のグローバル企業がF1チームと新契約を結んでおり、企業がF1スポンサーシップ契約を求める動きが減る兆しは見られない。
先週モナコで『Financial Times』と『Motorsport Network』が実施した『Business of F1 forum』において、F1のCEOステファノ・ドメニカリが、F1にこれほど新たなスポンサーマネーが流入しつつあるのは久しぶりのことであり、今はチームがスポンサーシップのオファーを断らなければならないほどの状況にあると述べた。マフェイもこれについて「そのとおり」と同意し、「マシンに新たにロゴを入れる余地があまりないと思う」と語った。
「テクノロジーを本当に理解している人々からの関心が高まったことが大きな要因だ。シリコンバレーのテクノロジーコミュニティにおいて関心が高まってきた。どれだけ多くのマシンが、複数ではないにしてもテクノロジー企業のスポンサーロゴをつけているかを見てほしい」
「それでひとつの層が開拓された。また、よりカジュアルにドライバーのストーリーや個性を高く評価するファンも出てきた」
「若いファンが増えている。ある調査(『Motorsport Network Global F1 Fan Survey 2021』)によると、平均年齢が4歳下がった」
「それにより、F1を魅力的だと考える消費財メーカーやブランドが開拓された。多岐にわたるスポンサーの関心を引き寄せることができたことは、大変に幸運だ」
最近では、テクノロジー産業の一部であるデジタル通貨市場、つまり暗号資産の業界からのスポンサーシップが急激に増えている。
ほぼすべてのチームが現在では暗号資産企業のパートナーを持ち、F1自体がクリプトドットコムと契約を結んでいる。クリプトドットコムは、世界でも急成長中の暗号資産プラットフォームであり、2021年にF1のグローバルパートナーとなり、スプリントレースのパートナーも務めた。
「暗号資産の業界の奥深さを考えてみてほしい」とF1フォーラムでマフェイに同席したドメニカリは発言した。
「我々は暗号資産の10ブランドと提携している。ソフトウェアビジネスも同様の状況にあると言える。非常に健全な状態だ」
F1の若いファンに話が戻ると、グレッグ・マフェイはNetflixシリーズ『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』を、F1のファンが拡大された主なきっかけのひとつに挙げた。
「若いファンについては、Netflixが多くの人々にF1を広めてくれたおかげだと思う」とマフェイは語った。
「だが素晴らしいのは、こうした若い人々がさまざまな方法でF1にやってきたということだ」
「ソーシャルメディアは大きな働きをしている。ゲームもだ。ランド・ノリスとしてプレイし、ランドがレースをしているのと同じコースでレースをすることができる。これは多くの若いファンにとって非常に魅力的だ」
「7年前には存在しなかったものだ。これは計画されたことではなかった。F1をオープンにして、より魅力的なものにする。もちろん、近寄りがたい要素もあっただろう」
「だがすべてのファンが触れることができる要素もあるのだ」