5月12日、DTMドイツ・ツーリングカー選手権は、5月20〜22日にデクラ・ラウジッツリンクで開催される第2戦に、パスポートを所持するウクライナ国民すべてを無料で招待すると発表した。パドックへの入場やピットウォーク体験なども無料で行われる。
ロシアのウクライナ侵攻により、ヨーロッパには多くのウクライナ市民が避難しているが、ドイツで高い人気を誇るDTMは、そんなウクライナ市民に向けレースを楽しめるチャリティを行うことになった。
これは5月11日、ボルシアパークで開催されたサッカーブンデスリーガのボルシア・メンヘングラートバッハ対ウクライナ代表のチャリティマッチのなかで、DTMのブランド&スポーツ代表を務めるマルティン・トムチェクが明らかにしたもの。試合はブンデスリーガの全面的なサポートでウクライナとの連帯を示すものとして開催され、ロシアの軍事侵攻後初めてのウクライナ代表の試合となった。
長年DTMで活躍してきたトムチェクは2022年からDTMを運営するITR e.Vの経営に携わっているが、ウクライナ支援に向け友人や家族たちとともに3月初旬にはウクライナ国境へ向け大型トラックで出発し、救援物資を届けたという。
「僕はまだウクライナを支援する意欲に圧倒されているんだ。もちろんその活動には多くのエネルギーがかかる。僕たちは深夜まで物資を詰め、トラックに積み込み、早朝に出発したんだ。25時間ほとんど道路上にいて、月曜にはオフィスに直行した」とトムチェク。
「だけど、僕はまだ震えを感じているんだ。僕は現場で、我々の助けがどれほど緊急に必要なのかを感じ取ったんだ」
今回開催されたボルシアMG対ウクライナ代表のチャリティマッチは、ドイツの衛星テレビ局のプロジーベンによって中継された。「プロジーベンのアイデアは非常に優れていると感じたんだ。だからラウジッツリンクで、僕たちはウクライナ市民を招待し活動を続けることにした」とトムチェク。
招待はウクライナのパスポートを所持しているすべての市民に適用され、ラウジッツリンクのターン1に招かれる。また敷地内のチケットブースでパスポートを提示すると、パドックへの入場やピットウォークが可能となるカテゴリー2のチケットが配布される。