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トヨタスポーティグレードの象徴!! 多彩な「GRスポーツ」は買い得か?

 トヨタのスポーティグレードの象徴「GR」であるが、GRヤリスのようなスーパースポーツを頂点に、様々な車種に設定が行われている。

 その中でも、GRならではのスポーティイメージを活用したラインナップが「GR SPORT」である。

 先代のプリウスやアクアが大ヒットした時に、魅力的な装備とデザイン、そしてお買い得な価格で「GR」が人気を集めたが、現行のラインナップの魅力度について渡辺陽一郎氏に分析してもらった!

文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】スポーティーな走りをカタログモデルで味わえる!! クール&お買い得な現行GR SPORTラインナップ(19枚)画像ギャラリー


■多彩な車種に設定されるGRスポーツ

 トヨタでは、自社製品にチューニングやドレスアップを施したスポーツモデルとして、GRとGRスポーツを用意している。この内、GRスポーツは、SUVやプラグインハイブリッドなども設定され、カテゴリーは多岐にわたる。ユーザー層も幅広い。

 そこで5車種のGRスポーツについて、買い得度を判定したい。

■C-HR・GRスポーツ

●ベストグレード:S-T・GRスポーツ(278万2000円/2WD・6速MT)

2016年登場のトヨタ C-HR。GRスポーツは2019年に追加された

 C-HRは全長を4400mm以下に抑えた比較的コンパクトなSUVで、登場したのは2016年だ。今では発売から5年以上を経過するが、プラットフォームは後発のカローラクロスと共通で、パワーユニットは直列4気筒1.2Lターボと1.8Lハイブリッドを用意する。メカニズムの古さはあまり感じない。

 しかもターボには6速MTも設定され、動力性能はさほど高くないものの、エンジンパワーをフルに引き出す走りを満喫できる。

 GRスポーツも、ターボとハイブリッドの両方に設定され、S-Tをベースグレードとして開発された。この内、推奨されるのは、6速MTを選べるターボのGRスポーツだ。

 GRスポーツには、専用装備として、外装には専用エンブレムなどが装着される。アルミホイールのサイズは、S-Tは17インチだが、S-T・GRスポーツは19インチに拡大される。

 バイビームLEDヘッドランプなども標準装着され、前後のサスペンションとスタビライザー(ボディの傾き方を制御する足まわりのパーツ)には、専用のチューニングを施した。

 S-T・GRスポーツの価格は278万2000円(2WD・6速MT)で、ベースグレードのS-Tに比べると40万円高いが、プラスされる装備も多い。上級に位置するG-Tとの比較では、10万円の上乗せに収まる。

★買い得度(10点満点):8点

■ランドクルーザーGRスポーツ

●ベストグレード:GRスポーツ・ディーゼル(800万円/4WD・10速AT)

トヨタ ランドクルーザー。GRスポーツは2021年の現行型登場と同時に設定された。ランクル初のGRスポーツモデルだ

 ランドクルーザーは、今では少数派になった純粋な悪路向けのSUVだ。ラダー(梯型の)フレームに、ボディやサスペンションを架装している。悪路の走破に重点を置いて開発された。

 ランドクルーザーの中でも、特に悪路指向を強めた仕様がGRスポーツだ。外装パーツは専用の色彩になり、18インチタイヤは、ZXの20インチに比べて悪路のグリップ力が高い。乗り心地も柔軟に感じられる。

 GRスポーツの足まわりは、海外ラリーのような用途を考慮してセッティングされ、電子制御によってスタビライザーの作動を調節するE-KDSSも採用した。基本的には悪路でスタビライザーの作動をキャンセルして、サスペンションの伸縮性を拡大するが、舗装路を真っ直ぐに走る時でも乗り心地を向上させる。

 このほか悪路の走破力を高める前後のデフロックなども標準装着した。デフロックは悪路を走るための専門的な装備で、特に前輪側は、舗装路でスイッチを入れるとメカニズムを破損させる心配もあるので注意したい。

 価格はZXに比べて40万円高い。K-DSSのような特殊な機能を備えるために価格は高めだ。エンジンは重量級SUVのランドクルーザーにはディーゼルが似合う。

★買い得度(10点満点):5点

■ハイラックスGRスポーツ

●ベストグレード:GRスポーツ(431万2000円/4WD・6速AT)

現行型トヨタ ハイラックスは2017年登場。写真のGRスポーツは2021年から追加された

 日本国内で販売されるハイラックスは、2列のシートを備えたピックアップトラックだ。エンジンはディーゼルを搭載しており、全車が4WDシステムを備える。

 4WDはパートタイム式で、カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節するセンターデフなどを装着していない。従って4WDは空転の発生する雪道や悪路のみで使う。その代わり悪路走破力は高い。

 GRスポーツは、外装パーツの色彩などが異なる。タイヤサイズは、ZやXは17インチだが、GRスポーツは18インチに拡大される。サスペンションは、GRスポーツではショックアブソーバーがモノチューブタイプに変更される。

 こういった変更を受けて、価格は431万2000円だから、Zに比べて43万円高い。変更内容の割に、価格は高めの設定だ。

★買い得度(10点満点):3点

■プリウスPHV・GRスポーツ

●ベストグレード:S・GRスポーツ(384万2000円/2WD・電気式無段変速)

現行型は2016年登場のトヨタ プリウスPHV。GRスポーツは翌2017年に追加されている

 ベーシックなプリウスには、GRシリーズは設定されていないが、プラグイン(充電可能な)ハイブリッドを搭載するPHVにはGRスポーツが用意される。

 PHVでは、エンジンを停止させて充電された電気で走行する時、ハイブリッド走行中に使うための発電機も駆動を担当する。つまり駆動用も含めて、2個のモーターで走るから、加速力を高められる。このパワフルなモーター駆動機能は、GRスポーツのチューニングと親和性が高い。

 プリウスPHV・S・GRスポーツの外観を見ると、前後に装着された専用バンパーなどにより、スポーティにドレスアップされている。内装の装飾や色彩などもGRスポーツ専用に仕上げられ、ベースのグレードとは雰囲気が異なる。

 足まわりも専用にチューニングされ、前輪側は車高を13mm下げた。エアロパーツやブレーキキャリパーなども専用タイプだ。

 プリウスPHV・S・GRスポーツの価格は384万2000円で、ベースになったSに比べると45万9000円高い。プラスされた機能や装備を考えると、価格アップは多めになる。

★買い得度(10点満点):4点

■コペンGRスポーツ

●ベストグレード:GRスポーツ(243万7200円/2WD・5速MT)

2014年登場のダイハツ コペンに2019年に追加されたコペンGRスポーツ

 コペンはダイハツ製の軽自動車で、全グレードのルーフに、電動開閉機能が装着されている。そしてコペンの一般グレードはダイハツが扱うが、GRスポーツは、ダイハツと併せてトヨタの販売店でも購入できる。

 GRスポーツは内外装の色彩などが専用デザインになり、ステアリングホイールはMOMO製、シートはレカロ製だ。サスペンションは専用にセッティングされたビルシュタイン製で、電動パワーステアリングの操舵感も変更されている。

 GRスポーツの価格は、5速MTが243万7200円だ。コペンローブSの価格は、5速MTが211万4200円だから、32万3000円の上乗せだ。割安とはいえないが、MOMO、レカロ、ビルシュタインなどの名門パーツが使われ、納得できる範囲に収まる。

★買い得度(10点満点):6点

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