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 今や新車を購入する大半の人が利用するのが残価設定プランだ。3/5年後の価値をあらかじめ購入額から差し引いた分を支払うこととなり、月々の予算が抑えられるのが最大のメリットだ。ただ、まったくの新型車なら数年後の価値を担保するのに有利だが、モデル末期の場合不利に働かないのだろうか!?

 今回はアルファードの人気グレードを例に、今買ってもいいのか?を判定する!! 結論から言えばアルファードなら、今買っても損することはないというが、果たして。

文:渡辺陽一郎/写真:トヨタ・ベストカーWEB編集部

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高いのにバカ売れ!! トヨタの販売戦略が奏功しアルファードは超人気車種に

 2021年度(2021年4月~2022年3月)に、国内で最も多く販売された高価格車は、Lサイズミニバンのトヨタ アルファードであった。売れ筋価格帯は400万円~550万円に達するが、2021年度には1か月平均で6644台が登録されている。コンパクトSUVのライズが7061台だから、アルファードは価格が約2倍ながら、同程度の売れ行きとなった。

 現行アルファードは、2015年1月に登場。従来型も人気車だったが、現行型が発売された時点では、姉妹車のヴェルファイアのほうが台数を裁いていた。それが2017年12月に実施されたマイナーチェンジで、アルファードが仮面のようなフロントマスクをさらに派手に変更すると、ヴェルファイアの登録台数を追い抜いたのだ。

2017年のマイナーチェンジ、そしてトヨタディーラーにおける改革によって販売台数は大きく差が生まれることに

 さらに2020年5月には、トヨタの全店が全車を扱う販売体制に変わり、従来はアルファードやヴェルファイアを扱わなかったトヨタ店とカローラ店でも、この2車種を買えるようになった。

 その結果、トヨタのすべての店舗でアルファードが好調に売られ、以前はヴェルファイアを扱っていたネッツ店でも、ヴェルファイアからアルファードに乗り替えるユーザーが増えた。この影響を受けて、ヴェルファイアは売れ行きが激減した。グレード数も減らされ、今の登録台数はアルファードの約4%となっている。

現行モデルは7割がガソリンを選択! 新型アルファードはノア/ヴォクシー以上の先進安全装備で勝負に

 現行アルファードの発売は2015年だから、今では7年を経過する。2023年にはフルモデルチェンジを行う可能性が高く、ヴェルファイアは廃止され、アルファードのみが存続する見込みだ。

 新型アルファードの詳細は不明だが、ノア&ヴォクシーと同様、現行型の基本路線を踏襲しながら、各種の機能や装備を充実させる。パワーユニットは、直列4気筒2.5Lのノーマルタイプと、ハイブリッドになる可能性が高い。

 現行型にはV型6気筒3.5Lのノーマルエンジンも用意されるが、動力性能が高い代わりに、価格もハイブリッド並みだ。そのために3.5Lエンジン搭載車の販売比率はアルファード全体の10%以下だから、次期型では廃止されそうだ。アルファードの3.5Lエンジン車が欲しいなら、現行型を買っておきたい。またハイブリッドの販売比率も約20%で、ほかの車種に比べると低い。アルファード場合、販売総数の約70%が2.5Lのノーマルエンジンで占められるのだ。

現行モデルの納車最長9カ月……新型アルファード登場は2023年末までお預け!?

 そこで悩むのがアルファードの購入時期だ。現行型を選ぶか、それとも2023年に登場する新型モデルか。商品力を考えると、新型が断然推奨される。その理由は、各種の装備が新型ノア&ヴォクシーと同等か、それ以上に進化するからだ。ノア&ヴォクシーの衝突被害軽減ブレーキは、自車が右左折する時に直進してくる対向車、横断歩道上の歩行者も検知可能。電動スライドドアが開き掛けている時に、車両が接近してくると、スライドドアの作動を止める安全機能も用意しているほど。

 運転支援機能についても、渋滞時にステアリングホイールから手を離しても、制御が続くハンズオフ機能を用意する。これらの機能は、現行アルファードには採用されていないから、新型アルファードを購入するメリットになる。

ただでさえ納車まで半年程度かかるのに……TコネクトナビにJBLサラウンドを選択すると9カ月程度とさらに伸びる!!

 そこで次期アルファードについて販売店に尋ねると、以下のように返答された。「アルファードのフルモデルチェンジは、2023年に行われるが、詳しい時期や内容は分からない。また現行型も納期が遅れており、売れ筋グレードで6~7か月を要する。メーカーオプションのTコネクトSDナビとJBLプレミアムサウンドシステム、あるいは後席用モニターをオプションで加えると、納期はさらに延びて9か月に達する。現行型の納期がここまで遅れると、新型アルファードも先伸ばしになり、納車の開始は2023年の年末になる可能性がある」。

 販売店に現行型の納期を改めて尋ねると「2022年5月下旬に契約しても、納車されるのは、最長では2023年2月頃」というから、確かに新型アルファードの年末にズレ込む可能性もあるわけだ。今は半導体だけでなく、さまざまなパーツの供給が滞っているから、フルモデルチェンジのタイミングまで先送りにされる傾向が見られる。

現行アルファードは未だ驚異の残価率55%をマーク!! 今買っても損することはなし

 仮に新型の納車が2023年の末だとすれば「そこまで待てない」ユーザーも多いだろう。そこで現行型の購入も考えたい。

 現行アルファードを購入した後、数年を経て売却する時の価値は、新型に比べて下がることは間違いない。設計の古い先代型になる以上、新型に比べて売却額で不利になるのは仕方がない。

 しかしそれでもアルファードの資産価値は高い。例えば現行アルファードに2.5Lノーマルエンジンを搭載するS・Cパッケージで、残価設定ローンを組んだとする。3年後の残価率(新車価格に占める残価の割合)は55%だ。

 一般的に3年後の残価率は、設計の新しい車種を含めて42~48%になる。アルファードはフルモデルチェンジを控えながら55%だから、今でも高値で売却できる部類に入る。アルファードS・Cパッケージの新車価格は468万1600円で、3年後の残価は257万4880円だ。残価設定ローンの残価率で考えると、現行アルファードS・Cパッケージを購入して、3年を経過しても、約260万円で売却できるのだ。

 S・Cパッケージは、2列目に豪華なエグゼクティブパワーシートが装着され、アルファードの人気グレードになっている。ただしファミリーカーとして使う場合、エグゼクティブパワーシートは過剰な装備でもあるだろう。エアロパーツを装着した2.5Sなら、2列目がセパレートシートの7人乗りでも398万5000円だ。S・Cパッケージに比べて約70万円も安い。数年後に売却する時の条件は、Sでも優れているので、グレードは使い方や予算に応じて選びたい。待てるなら次期型を推奨するが、そうでない場合、現行型を買う方法もある。

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