4月21~24日、WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアが同国の首都ザグレブを中心に開催され、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季2勝目をマークした。ここではWRC/クロアチア・ラリーに関連したSNS投稿をピックアップして紹介する。
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■ラトバラ代表が観戦エリアに
2021年シーズンにドライバー/コドライバー、そしてマニュファクチャラーの3タイトルを獲得したTOYOTA GAZOO Racing WRTを率い、今年もその再現を狙うヤリ-マティ・ラトバラ代表。
今シーズンすでに2勝をマークしたチームの指揮官は、競技2日目のデイ2に自らのSNSを更新し、観客が集まるファンエリアでラリーを観戦している様子を写真つきで投稿した。観客の多くはラリーカーの走行シーンを待っている様子だが、一部のファンは元スタードライバーの存在に気付いたか、後方でピースサインを掲げている。
■800mの押し歩きでぐったり
デイ1のSS4終了後、ロードセクションで2度にわたってオルタネーターのトラブルに見舞われた、ヒョンデ(旧ヒュンダイ)のティエリー・ヌービルとマルティン・ウィダグ組。彼らは2度目のメカトラブルが発生した場所がタイムコントロール(TC)まで残り約800mの地点だったことから、ヒョンデi20 Nラリー1を修理せず、ロードセクションを押して歩くことを選択した。
今季から導入されているラリー1カーは、プラグイン・ハイブリッドマシンとなったことで車両重量が前年比プラス70kgの1260kgに増加している。この重いクルマを1km弱にわたって押して歩いたふたりはTC到着時には汗びっしょりに。ヌービルはクルマにもたれかかるような態勢でルーフに顔を伏せ、コドライバーのウィダグにいたっては地面に仰向けで倒れ込んでしまった。この様子からベルギー人ペアにとって、いかに過酷なリエゾン(移動区間)だったかが窺い知れる。
なお既報のとおり、ヌービル組はリエゾンで発生した1回目と2回目のトラブルの間に大幅な速度超過と知りながら公道を走行したとして、1900ユーロ(約26万円)の罰金と社会奉仕活動が科せられている。
■福永、初日にクラッシュも完走果たす
昨シーズンの全日本ラリー選手権でランキング2位となった福永修/齋田美早子組が、クロアチア・ラリーでWRC2クラスに参戦した。WRC仕様のシュコダ・ファビア・ラリー2エボで事前のテストも行ったうえで今戦に臨んだ福永組だったが、デイ1のSS1で痛恨のクラッシュ。マシンはフロント部分に大きなダメージを負った。
それでもチームの懸命な修復作業によって競技2日目に再出走を果たした福永は、デイ2とデイ3の計12SSを走破し総合53位でラリーを完走した。そんな福永/斎田組は今週末の4月29日から5月1日にかけて、愛媛県久万高原町で開催されるJRC全日本ラリー選手権第3戦久万高原ラリーに参戦予定だ。
■斎藤太吾が作ったA90スープラにロバンペラが乗り込む
WRC第2戦スウェーデンに続き第3戦クロアチアでも勝利を飾り、21歳にしてグラベル(未舗装路)とスノー、ターマック(舗装路)、すべてのサーフェスでの優勝を果たしたロバンペラ。早くもチャンピオン候補の筆頭に挙げられる立場となった彼だが、シーズン3勝目を狙う第4戦ポルトガルを前に欧州のドリフト選手権に参戦することをアナウンスした。
ロバンペラが出場するのは、年間6戦で争われるDMECドリフト・マスターズ・ヨーロピアン・チャンピオンシップの第1戦、5月7~8日にアイルランドで開催されるシーズンオープングイベントだ。TGR WRTのドライバーはこの開幕戦で元D1王者、斎藤太吾が製作したトヨタGRスープラをドライブする予定となっている。
■W表彰台獲得のヒョンデが第5戦イタリアのラインアップを発表
クロアチア・ラリーでオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合2位、ヌービルが総合3位となり今季初のダブル表彰台を獲得したヒョンデ・シェル・モビスWRTが、6月に行われる第5戦ポルトガルの布陣を発表した。
同陣営ではタナクとヌービルをレギュラードライバーに指名し、3台目のマシンをオリバー・ソルベルグとダニ・ソルドがシェアしてシーズンを戦う体制をとっている。ここまでの開幕3戦では、20歳のソルベルグがヒョンデi20 Nラリー1をドライブしてきたが次戦、今季初のグラベルラリーとなるポルトガルでは“仕事人”ソルドが初登場。ラリー1デビューを果たす予定となっている。
そのソルドが5月のポルトガルに続き、第5戦『ラリー・イタリア・サルディニア』にも出場することが決まった。ベテランのスペイン人ドライバーは英語とイタリア語で「近いうちに会おう!」というメッセージを添えた。