4月24日、MotoGP第5戦ポルトガルGPの決勝レースがアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われ、MotoGPクラスはディフェンディングチャンピオンのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が今季初優勝を飾った。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は転倒を喫したがレースに復帰し、16位だった。
初日、予選日のほとんどがウエットコンディションの走行となったポルトガルGPは、決勝日はドライコンディションとなり、気温は18度、路面温度は25度の中で行われた。また、前日の予選Q1で転倒を喫して右手を強打したラウル・フェルナンデス(テック3KTMファクトリー・レーシング)は、この転倒により決勝レースを欠場している。
好スタートを切ったのはジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)で、1周目から後方を引き離しにかかる。2番手にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、3番手にはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続いていたが、ポールポジションスタートから後退していたヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)がミラーをかわして3番手に浮上した。
トップを走っていたミルだったが、4周目のストレートから1コーナーでクアルタラロがミルの前に出てオーバーテイク。クアルタラロがトップに立ち、ミルが2番手に後退した。トップのクアルタラロは次第にミルとのギャップを広げていき、6周目には1秒以上の差を築く。
一方、5番手争いはアレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、そしてアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)によって激しく争われた。リンスは23番手スタートだったが、大きく順位を上げて5番手争いに加わっていた。
トップを走るクアルタラロはミルとの差を広げていく。10周目にはファステストラップのレコードを更新する1分39秒435を叩き出し、独走態勢を築いた。その約3秒後方を走るのは2番手のミル、さらにその0.4秒ほど後ろにザルコが続く。ミルとザルコの差は縮まりそうで詰まらず、ほぼ一定の差を保っている状況だった。
しかし残り10周になるころ、ザルコがミルに接近。ザルコは1コーナーでオーバーテイクを仕掛けたが止まり切れず、ミルが2番手を守る。さらに2番手のミラーもザルコの背後に接近し、ミル、ザルコ、ミラーの3人が2番手争いの集団を形成した。
その翌周、メインストレートでザルコが再びミルに挑み、オーバーテイク。ザルコが2位、ミルが3位に後退し、ミラーが4番手に続く。残り7周、1コーナーのブレーキングでミラーがミルにオーバーテイクを仕掛ける。しかしミルのインサイドに入ったミラーがスリップダウン。外側にいたミルとともに転倒を喫し、ミラー、ミルともにリタイアとなった。この転倒により、アレイシ・エスパルガロが3番手に浮上した。
クアルタラロは独走態勢を崩すことなくトップでチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。2位はザルコで今季2度目の表彰台獲得。3位はアレイシ・エスパルガロだった。
4位はリンスで、23番手スタートから大きくポジションを回復してのフィニッシュ。5位はオリベイラ、6位は終盤にアレックス・マルケスとポジションを争ったマルク・マルケスが入り、7位には0.02秒差でアレックス・マルケスが続いている。
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は12周目に転倒を喫したがレースに戻り、16位。ここまで2勝を挙げているエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)は10周目に転倒してリタイアした。