WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアは4月23日、競技2日目に入りデイ2のSS9~16が行われた。前日のデイ1で後続を1分以上引き離してみせたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が依然としてラリーをリードしているが、総合2番手につけるオット・タナク(ヒョンデ[旧ヒュンダイ]i20 Nラリー1)の猛チャージにより、その差は19.9秒に縮まっている。そんなデイ2の走行を終えた各陣営からドライバーコメントが発表された。
■Mスポーツ・フォードWRT
●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合3番手
「素晴らしかった。ステージを楽しめたよ。少しリセットをする必要があったが、走行を楽しむようにした。明日に向けた準備はできているよ」(SS16後コメント)
●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合17番手
「スタートの感触は良かったが、終盤に向けてタイムを失ったのは確かだ。とにかく、午後の方がはるかに良かったね」(SS16後コメント)
●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合50番手
「このステージで力を尽くしたけれど、あまりクリーンではない2箇所のタイトなコーナーでは、ロングストレートに向けたスピードが出せなかったと思う。まずまずの走行ができた最初の日(注:デイ1はSS1で1回、SS2で2度のパンクを喫しリタイア)だから、とても満足しているよ」(SS16後コメント)
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手
「この最後から2日目の終わりに3番手に迫ることができたから、僕たちのこれからの目標は表彰台を獲得して終わることだ。今日はできることをやった。午前中のSS13で、小さなエンジン関係のトラブルがあったせいで少しタイムを失ったが、それ以外ではうまくいったよ」
「エンジン出力が絞られていたんだ。ステージの終盤にスロットルが40パーセント以上開かなくなっていた。それで何秒か失ってしまった」
「僕は普段は大きなリスクを犯さないタイプで、状況をコントロールすることを好む。でも必要であればもう少しハードにプッシュできると感じたんだ。午後はそうしようとした。それによってかなりのタイムを取り戻すことができた。明日もそうして戦うとするよ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合2番手
「今日は昨日ほど簡単ということはなく、さらに遠くのステージ(SS11/SS15“プラタク”)を含めて、信じられないほど難しいステージがあった。午前中は雨が降るおそれがあったので、その区間ではウエットタイヤを履いたが、その賭けがうまくいったよ」
「午前中はベストを尽くそうとしたけれど、限界まで力を出す必要があるという、自信もフィーリングも感じられなかった。結局、(カッレ・)ロバンペラは強力な結果を出して見せたから、自分たちが明日何をできるか見ていかなければならない」
「ある意味では、彼がプッシュしていたのはいいことだ。なぜなら僕たちが彼にプレッシャーを与えていたことになるからね。うまくいけば、よりクリーンな1日になるだろう。夜のうちに何かを見つけることができるかもしれない。2番手の結果には満足していないが、余計なリスクを負っても効果はないから、トリッキーな瞬間を避けるようにしなければならない」
●オリバー・ソルベルグ(#2 ヒョンデi20 Nラリー1)/リタイア
「残念ながら今朝は計画どおりにはいかなかった。今日のファーストステージでは、起伏のあるマディーな左コーナーでリヤのコントロールを失い、コースオフしてしまった」
「最初のうちは大したことではなかった。リヤが少しワイドになったが、いつものようなスライドだと思っていた。でもマシンは弾き飛ばされて木にぶつかってしまった。高温のエキゾーストのせいでマシン後部から発火し、大きなダメージを負ってしまったのは不運だった。消しとめてくれた主催者には感謝している」
「起きたことは残念だが、これも僕たちの学びの一部だ。これは僕が経験したなかでももっとも難しい、クレイジーなほど困難なラリーのひとつだ。でも今ではさらに経験を積んだから、将来に向けて良い準備をすることができたよ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合5番手
「今朝はとても調子が良く、走りのリズムも良かったが、SS11の濃い霧のなかではかなり慎重になってしまった。午後は難しいと感じる場面が多く、あまりいい走りができなかったように思う」
「泥が多いセクションや、路面のグリップが変わるようなところでは、自信を持ち切れなかったんだ。それでもミスはしなかったし、堅実に走ることはできたと思う」
「順位を競っていない状況で走り続けるのは簡単ではなく、リスクを冒す必要もない。あとは確実にポイントを獲得し、パワーステージでボーナスポイントを得ることが目標だ」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位
「午前中は苦戦し、望んでいたような展開にはならなかった。原因は分からないが、ステージが始まってすぐタイヤに問題が起きたため、かなりタイムを失ってしまった。その結果、少し難しい状況になってしまったが、ミスをすることなく安定した走りを続け、タイムを少し取り戻したので、うまく対処することができたと思う」
「そして、最後のステージは路面コンディションがとても良く、どれくらいグリップがあり、どこで攻めることができるのかが明確に分かった。そこで、可能な限り速く走ろうと試みたところ、リードを拡げることができたので良かった。明日も長く大変な1日になりそうだけどベストを尽くして戦いたいと思う」
●エサペッカ・ラッピ(#4 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合54番手
「とてもいい1日だった。今朝はコンディションがかなりトリッキーで、最初の2本のステージは全体的に路面が湿っていて、3本目のステージは、ターマックとしてはおそらく今まででもっともトリッキーなコンディションだった。霧が非常に濃く、20m先までしか見えないようなところもあるなど、ちょっとクレイジーな状況だったね」
「午後のステージに臨む前にクルマのセッティングを少し調整したところ、さらにいいペースで走れるようになった。もちろん、出走順のアドバンテージはあったと思うけど、昨日あまり走れなかったことを考えると、自分の走りには満足している」
「ダーティなターマックステージをこんなに速く走ったのは初めてだけど、クルマのフィーリングはとてもいいし、明日も今日と同じように走れることを願っている」