日本でドイツ車の代名詞にもなっているメルセデスベンツのラインナップが凄いことになっている。いったい何車種あるのか? おさらいしていこう!
※本稿は2022年3月のものです。キャプション中の諸元は代表的なモデルのものです。「M」はモーターを表します
文/永田恵一、写真/Mercedes-Benz、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年4月10日号
【画像ギャラリー】伝統あるモデルから新参シリーズまで…本文で載せきれなかったメルセデスベンツの多彩なラインナップをギャラリーでチェック!(30枚)画像ギャラリー
■ここ20年で増加したメルセデスのラインナップ
20年ほど前のメルセデスのラインナップは、それぞれ派生ボディのあったC、E、SというFR系を中心に、オープン専用のSLKとSL、FFのA、乗用SUVのM、本格SUVのG、ミニバンのV、シティコミューターのスマートくらいだった。
それが現在は派生車充実のFF系のAファミリー、FR系SUVの拡充、ファッショナブルな4ドアのCL系など30車種以上と、トヨタ以外の日本メーカーより多種多彩。
また、ここ25年はいいこと、悪いことともにいろいろあったにせよ、メルセデスは世界で最初にクルマを造ったメーカーというプライドもあり、高い安全性や「シャシーはエンジンより速く」といった一貫したポリシーを持ち続けている。
それだけにF1をはじめとしたモータースポーツ活動の効果も含めブランドイメージは非常に高く、「一度は乗ってみたい」という人がたくさんいるのもよくわかる。
それでいて価格も400万円台のモデルもそれなりに揃えながら、年を追うごとにFR系に近いテイストとなっているFF系のAファミリーの充実も目覚ましく、若い層が買うクルマの候補にも挙がりやすくなっている。
さらにC以上のFR系も日本車の値上がりもありパワートレーンの違いはあるにせよ、レクサスをはじめとした日本車の高級車、高級ブランドと比べられるものとなっているのもメルセデスには追い風だ。
そこにメルセデスは日本でのディーラー網が200拠点を超えるという安心感が加わると、新規ユーザーは増え、そのうち少なくない数がリピーターになるわけで、メルセデスの日本での好調が続くのは当然と言えば当然なのだ。
■日本での販売
日本における輸入車販売は、泣く子も黙る高級車メーカーであるメルセデスベンツが、2015年にトップに立ってから、昨年まで7年連続ナンバーワンに輝いている。
コロナ禍により販売台数は落ちているが強さは健在。メルセデスのターニングポイントとなったのは先代Aクラスで、台数を稼ぐのに大貢献。
メルセデスが強いのは、SUVだけでなく、C、E、Sといった王道が売れ続けていることにある。飽きやすい日本のユーザーを満足させるマーケティング戦略も見逃せない点だ。
■メルセデスベンツのマイルドハイブリッド
FR系のメルセデスに搭載されるBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)とISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)はどちらも48Vのマイルドハイブリッドだ。
BSGはオルタネーターにエンジンをかけるセルモーターと、走行中のアシストと減速エネルギーの回生機能を持たせた10ps程度のマイルドハイブリッドで、日本車ではスズキの軽乗用車などに近い。
ISGは20ps程度のモーターをエンジンとATの間に置いたもので、日本車ではかつてのホンダIMAに近い。
メルセデスの最新ラインナップを見るとISGが増えており、BSGは今後より燃費改善効果の大きいISGに移行する流れのようだ。
■AMGモデルの愉悦
AMGはもともとメルセデスでレース用エンジンを開発していた2人が設立したブランドで、モータースポーツやコンプリートカーの開発、販売といった協力関係を経て、現在はメルセデスの子会社となっている。
そのAMGのコンプリートカーと基準車の違いをCLAクーペで見ていくと、基準車となるCLA250 4MATIC(2Lターボ+4WD、595万円)に対し、A35 4MATIC(737万円)は224psから306psにパワーアップされている。
その大パワーに見合ったサスペンションやブレーキの強化、走行モードの追加、エクステリアはエアロパーツや専用グリルの装着、インテリアもグレードアップされる。
さらにCLAクーペにはトップモデルとなるA45S 4MATIC(893万円)も設定されており、こちらは2Lターボ世界一となる421psエンジンの搭載、フェンダーのワイド化、AMGのトップモデルに付く専用グリルの装着なども施される。
AMGは絶対的には安くないものの、内容を加味して価格差を見るとリーズナブルで満足度が高いので、AMGに憧れるクルマ好きの気持ちはよくわかる。
■今後のニューモデル
庶民には無縁だが、富裕層が熱視線を送るのが昨年10年ぶりに刷新された新型SLで、日本導入を控えている。
いっぽう2030年にはEV専門メーカーになることを公表しているメルセデスのBEV、EQシリーズのEQB、EQE、EQSにも注目だ。
ここで取り上げた4車種はすべて今年年央以降年末までに日本導入されるというから楽しみだ。
■まとめ
改めてメルセデスを見ると基準車の完成度の高さに始まり、EV化をはじめとした環境対応、スポーツモデルのAMGと、死角はあまりないことがよくわかる。
それだけに今後もメルセデスが世界の自動車業界をリードし、日本で売れ続けるのもほぼ間違いなく、自動車業界への影響も大きいメルセデスの動きは入念にチェックしたいところだ。
【番外コラム】消滅したモデル&クラス
CLK、SLKといったクーペ&オープンの人気が高かったが、今では需要が見込めないので復活の可能性も低い。MLはGLEが後継、Rクラスは短命に終わり残念。
【画像ギャラリー】伝統あるモデルから新参シリーズまで…本文で載せきれなかったメルセデスベンツの多彩なラインナップをギャラリーでチェック!(30枚)画像ギャラリー
投稿 増えすぎてワケがわからないよ!! というアナタに捧げるベンツ大研究 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。