4月23日、MotoGP第5戦ポルトガルGPの予選がアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われ、ウエットからドライへと変わるコンディションの中、ヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)がポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ2進出ならず、17番グリッドだった。
予選日も初日同様に雨となり、フリー走行3回目はウエットコンディション、気温12度、路面温度11度という低い状況で始まった。序盤にトップに立ったのはミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)。開始15分で1分50秒585を記録し、初日にマルク・マルケスが記録したトップタイムを更新する。
序盤には青空がうっすらと見えるところもあったが、セッション中盤になると、雨脚は強くなっていった。こうしたコンディションに足をすくわれ、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)やダリン・ビンダー(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム)、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が転倒を喫している。
マルク・マルケスは開始10分、8コーナーでハイサイドを起こして転倒し、以降はピットにとどまっていたが、残り時間数分となったところでコースイン。しかしタイムアタックはせずに終えた。
フリー走行3回目は終盤にかけて順位は大きく変わらず、トップがオリベイラ、2番手がジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、3番手がファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)。4番手はビンダー、5番手はザルコだった。中上は14番手でセッションを終えている。
Moto2クラスのフリー走行3回目では悪天候によりセッションが一時中断されるほどだったが、フリー走行4回目の終盤には天候が回復し、路面状況もドライへと変化していった。ただ、走行は最後までレインタイヤによって行われた。トップはオリベイラ、2番手はジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3番手はベゼッチ、4番手はフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、5番手はクアルタラロ。中上は13番手だった。
■予選:難しいコンディションの中、ザルコが今季初のポール獲得
予選はドライとウエットが入り交じるミックスコンディションで始まった。気温は16度、路面温度は21度まで上昇した。フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)やホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)、エネア・バスティアニーニ(グレシーニ)、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、中上などがQ1から予選に臨んだ。
ほとんどのライダーがレインタイヤでコースインするが、中上はスリックタイヤで走行をスタートする。しかしまだスリックタイヤで走れるコンディションではなかったようで、同じくスリックタイヤで走り始めたレミー・ガードナー(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)は9コーナーで転倒を喫した。中上も1周したのみでピットインし、レインタイヤを履いたスペアマシンに乗り替えている。
判断が難しいコンディションの中、アレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)がトップ、2番手に中上がつける。コースコンディションは刻々とドライに変化していき、セッション後半ではレインタイヤとスリックタイヤのライダーがほぼ半数となった。
残り時間1分、レインタイヤを履くアンドレア・ドヴィツィオーゾ(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム)がトップに立つも、マルティン、アレックス・マルケス、ルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)といったスリックタイヤを履くライダーが続々とタイムを更新。最後のアタックで自己ベストを更新したアレックス・マルケスがトップ、マリーニが2番手でQ2進出を決めた。
レインタイヤで走行を続行した中上は7番手で17番グリッドとなった。スリックタイヤで走行したバスティアニーニも終盤に転倒を喫して18番グリッド、同じくスリックタイヤで走行中、中盤にハイサイド転倒を喫したバニャイアはタイムアタックができず最後尾グリッド。バニャイアはメディカルセンターに運ばれたと伝えられている。また、リンスは23番グリッドで予選を終えている。
混迷のQ1のあとに行われたQ2では、全てのライダーがスリックタイヤでコースイン。ただ、ウエットパッチが残るコースコンディションだ。セッション前半ではこの日が26歳の誕生日であるアレックス・マルケスがトップタイム。2番手には兄のマルク・マルケスが続く。
アレックス・マルケスはさらに自己ベストを更新してトップをキープするが、そのタイムをザルコ、クアルタラロが上回る。残り時間2分、ミラーがトップタイムをマーク。しかしそのタイムを上回るペースでマルク・マルケスがアタックしていた。
ところがこの時間帯に転倒の発生によりセクター1、4にイエローフラッグが提示される。このイエローフラッグによって、好タイムをマークしたマルク・マルケスとクアルタラロのタイムは取り消された。
さらに終盤にはミル、さらにはザルコがタイムを更新。ザルコは最後のアタックで1分42秒003を記録し、2021年ドイツGP以来となるポールポジションを獲得した。2番手はミルで今季初のフロントロウを獲得。3番手にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が入った。
4番手はミラー、クアルタラロは5番手で、6番手はベゼッチだった。マルク・マルケスはタイム取り消しの影響で9番手となっている。