全日本ロードレース選手権第2戦鈴鹿2&4レースのレースウイークが、4月21日(木)の特別スポーツ走行から始まった。この日、2分06秒306をマークし2番手につけた渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)。実はかなりハードなスケジュールをこなして今回の鈴鹿ラウンドを迎えていた。
今シーズン、新体制となったYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINのライダーとして全日本ロードJSB1000クラスにフル参戦することになった渡辺だが、FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦しているYOSIMURA SERT MOTULの開発ライダー兼第4ライダーも兼務している。
4月12日(火)、13日(水)と鈴鹿でテストを行い、2日目は1時間ほど早めに切り上げて羽田空港に向かうと、フライトの出発予定が1時間ほど早まっていてビックリ。トルコ経由でフランス・シャルル・ド・ゴール空港に18時間のフライトで着き、レンタカーでパリの渋滞を抜けて木曜日の予選開始3時間前にル・マン-ブガッティ・サーキット入りし、グリーンライダーのセッションを走行。
「他のライダーは、火曜日から走っているのですが、いきなり木曜の予選でした。タイムは出さないといけないですし、絶対に転倒できないですし、なかなかの緊張感でした」
予選は、木曜の夕方と金曜の昼に、それぞれ20分間のセッションをこなすと、あとはチームのサポートにまわっていた。
「昨年は、24時間以上起きていましたが、今年は帰国して、すぐに全日本ロードのレースウイークなので、体調管理を優先しましたが、3時間くらいしか寝られませんでした」
そして勝利を確信しつつも、チェッカーまで残り1時間を切ったところでサーキットを後にして空港に向かった。
「昨年は、無観客だったので、すぐにサーキットを出ることがきたのですが、今年は、お客さんを入れていましたし、フライトに間に合わない可能性があったので、チェッカー前に出ることにしました。リザルトを見て優勝をしたことを確認し、機上の人になったのですが……」
トランジットのイスタンブール空港でイレギュラーな体験が待っていた。PCR検査の書類で日本の書式にしないとダメだと言われ、日本行きのフライトに乗ることができなかったのだ。このため渡辺は、日本書式の書類を作成し、24時間イスタンブール空港で過ごさなければならなくなってしまう。
「観光に行こうとも考えたのですが大雨だったんですよ。ホテルに泊まることも考えたのですが、広い空港でゆっくりすることにしました。それにしても24時間は長かったですね」
結局、丸一日遅れて火曜日の夜に帰国。水曜日に鈴鹿に移動し、ホテルで寝るものの、よく寝たと思って起きてみると午前1時。そこから眠れずに、朝方に目を閉じると加賀山就臣マネージャーからLINEが入った音で目覚め、慌てて部屋を出たそうだ。
そんなハードスケジュールをこなして迎えた第2戦鈴鹿2&4レース。予選では「2分04秒台を出したい」とコメント。絶対王者・中須賀を相手に、どんなレースを見せてくれるか楽しみなところだ。