名門アバルトの高性能スポーツモデル『595 Competizione(コンペティツィオーネ)』をベースに、数々の専用装備採用によりスポーツ性を高めた限定車『695 esseesse(エッセエッセ)』が登場。フロント周りを軽量化するアルミニウム製エンジンフードを採用して旋回性能を向上させ、専用パーツ類によりスポーツ性とともにプレミアム感もアップした同車は、世界限定台数1390台のうち400台が日本に上陸。全車5速マニュアルトランスミッション(MT)と左右ハンドル仕様が選択可能で、5月28日より発売開始となる。
この限定車の起源となる往年の『695 SS』は、1949年に創業し、フィアット系チューナー、高性能車メーカーとして発展を遂げたアバルトが、モータースポーツの世界でさらなる高みを目指し、1964年に送り出したモデル。当時のツーリングカー選手権は排気量によりクラス分けされ、600cc以下のクラスを制したアバルトは、次なるステップとして700cc以下で競われるカテゴリーへの挑戦を決意し、そのベース車両として『アバルト695』、さらなる高性能版として695 SSが誕生した。
SSはイタリア語で「エッセエッセ」と発音し、スーパースポーツを意味する。その695 SSにオマージュを捧げるのが今回の限定車となる。
ボディカラーには当時の695 SSを彷彿とさせるGrigio Campovolo(グレー)と、Nero Scorpione(ブラック)の2色を採用。ボディサイドにはスポーティ感を引き立てるホワイトのストライプや、特別装備の17インチアルミホイールが組み合わされ、さらにボディ随所にホワイトアクセントを配することでレーシーな雰囲気を高めている。
また、サイドの“695”エンブレムと、リヤの“695 esseesse”エンブレムが特別なモデルであることを主張。その意図に即して黎明期より軽量化や空力性能の向上を図ったアバルトの飽くなき探究心を継承し、フロント周りを軽量化するアルミニウム製エンジンフードを採用して旋回性の向上を狙ったほか、リヤに角度調整式のアジャスタブルスポイラーを採用し、高速走行時の挙動安定化も図られた。
さらに、ベース車とは異なる仕様のアクラポビッチ製高性能エキゾーストシステムを装着したことで、一段とスポーティなサウンドを奏でる。
そんなパフォーマンスを引き出す“仕事場”でもあるインテリアでは、ホワイト仕上げバックシェルとなるサベルト製スポーツシートを装備。ヘッドレスト表皮には“695 esseesse”のロゴも入れられ、鮮烈なレッドシートベルトを採用。同様にロゴを配したアルカンターラダッシュボードやフロアマットによりプレミアム感も高められている。
また、カーボン調シフトノブやロゴ入りトノカバーを採用するなど、イタリアンらしい細部へのデザイン性にもこだわりを見せる。
前述のとおりトランスミッションは全車5速MTとなり、Grigio Campovolo(グレー)とNero Scorpione(ブラック)の左右ハンドル車の4種が各100台導入され、価格は470万円(消費税込み)となっている。