アフリカ系のチームおよびアフリカ系ドライバーを主とするラインアップで2024年のル・マン24時間レースに出場することを目標に、バギラZMレーシングと、モータース・フォーミュラ・チーム(MFT)がジョイントすることが明らかとなった。
両チームは、伝統的なバックグラウンドを持たない若手ドライバー、エンジニアやその他の専門家をサポートする“平等と多様性プログラム”を立ち上げる。
2022年はその最初のステップとして『24Hシリーズ』を含むいくつかのGTシリーズに、ヤン・マーデンボローを擁し、メルセデスAMGの車両で参戦するという。プレイステーションGTアカデミーの2011年優勝者であるイギリス籍のマーデンボローは、LMP2およびLMP1でル・マン24時間に計3回出場。その後2020年まで、スーパーGTにニッサンGT-Rを駆って出場していた。
今季のGT3プログラムにおいては、ドバイ出身の双子であるアリヤ&ヤスミンのコロック姉妹が、マーデンボローに加わることになる。
2004年7月生まれ、現在17歳のコロック姉妹は今週末にノガロで行われるGT4フランスのオープニングラウンドで、2022年のプログラムを開始する。
MFTはモナコで生まれ育ったフランス・モーリシャスの起業家、ルドビック・ペゼによって2014年に設立。チームはモナコとモーリシャスの両方に拠点を置く。一方バギラはUAE、チェコ、スペインに拠点を持ち、ヨーロピアン・トラックレーシング・シリーズやダカールラリーに参戦してきた。
このプログラムにおいても、ル・マンに加えて2023年にダカールラリーに参戦することが計画されており、コロック姉妹が出場を目指している。
「バギラZMは、MFTとの緊密な協力により、モータースポーツの世界に新たなチャプター(章)をひらく」とチームCEOのマーティン・コロックは述べている。
「#EQUALITY(平等)、#RESPECT(尊重)、#DIVERSITY(多様性)は、今日のモータースポーツの世界ではまだ付与されていない本質だ」
「ヨーロッパ、および中東において我々のアカデミー・プログラムに参加する才能ある若いドライバーをサポートすることによって、変化を引き起こしたい」
一方、ペゼは次のように述べている。
「とくに新興国からの新しい才能の発展に関しては同じ目標を共有しているため、マーティン・コロックとバギラZMレーシングと提携できることをうれしく思う。我々のモータースポーツプログラムでは、モータースポーツの多様性を高めたいと考えている」
チームがターゲットとしているル・マン参戦のプログラムについては具体的な発表はされていないが、WEC世界耐久選手権/ル・マン24時間では、2024年からGT3車両が適格となり、彼らは今季のプログラムで計画しているものと同じメルセデスのGT3車両でル・マンにも参戦できるようになる。