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 5月13~15日、ル・マン-ブガッティ・サーキットで2022年MotoGP第7戦フランスGPが開催された。決勝ではエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が今季3勝目、ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝はないものの2度目の表彰台を獲得したが、両者の2023年の去就についての噂が飛び交った。

 現在、ほとんどのMotoGPライダーが2022年までで契約が終了する。2023年のシートが決まっているのは4人で、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は2024年まで、フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は2023年まで、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は2024年まで、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2024年まで継続参戦することが決定している。

ドゥカティ、フランセスコ・バニャイアと2024年まで契約更新
ドゥカティ、フランセスコ・バニャイアと2024年まで契約更新

 近年のMotoGPでは、7月頃にはファクトリーチームのシートが決定することが多く、シーズン3分の1を過ぎたこの時期から契約の話や発表が行われる。ドゥカティ勢ではバニャイアがいち早く2月21日に来季のシートを確保したこともあり、続いてミラーの継続参戦の発表がないことから離脱の噂が出ており、誰が2023年にドゥカティ・レノボ・チームで走るのかに注目が集まっている。

 現在ファクトリーのドゥカティ・レノボ・チームで走るバニャイアとミラーは、サテライトのプラマック・レーシングから昇格していることから、グレシーニ・レーシングMotoGP、プラマック・レーシング、ムーニーVR46レーシング・チームで走る6名が昇格する可能性がある。そのなかで3勝を挙げたバスティアニーニがワークスにステップアップする候補になっている。

フランセスコ・バニャイア、ジャック・ミラー、エネア・バスティアニーニのドゥカティ3人/2022MotoGP第7戦フランスGP
フランセスコ・バニャイア、ジャック・ミラー、エネア・バスティアニーニのドゥカティ3人/2022MotoGP第7戦フランスGP

 そんななか、フランスGPで好成績を残したバスティアニーニは「(バニャイアが)チームメイトには、ジャックを望むという記事を読んだ。もしかしたら、僕が後ろに位置したときに、プレッシャーを感じたかもしれない」と語った。

 また、ミラーも「バスティアニーニは、つねに終盤が非常に強い。タイヤのマネジメントが大変上手く、ミスをひとつも犯さなかった。エネアに抜かれたとき、捕まえられないことは分かっていた」とバスティアニーニの強さを認めるコメントをしている。

ジャック・ミラー、エネア・バスティアニーニ/2022MotoGP第7戦フランスGP
ジャック・ミラー、エネア・バスティアニーニ/2022MotoGP第7戦フランスGP

 そして、決勝トップ3会見の最後には来季の去就について質問が投げかけられた。

 バスティアニーニは「ドゥカティにいて一緒に走れることが嬉しい。このバイクを上手く走らせることができるし好きだ。今の僕にとって、最高のオプションだと思う。将来(来年)どこで走るのかまだ分からない。数戦後にははっきりするだろう。ドゥカティが良いパッケージを提供してくれることを約束してくれ、僕はインディペンデントチームでも勝つことができることを証明した」とドゥカティでの相性の良さを説明した。

 一方、バスティアニーニの昇格について「僕に何を言わせたいんだ? 彼は今年3勝を挙げ、素晴らしい仕事をしている。彼はイタリア人。理に適っている」とオーストラリア人のミラーは、ドゥカティがイタリアメーカーであることにも言及してコメントを返した。

 さらにミラーには、ドゥカティ・チームからテック3KTMに移籍したダニロ・ペトルッチのように、KTMファクトリーまたはテック3KTMへ移籍する噂がある。MotoGP.comのインタビューではこのことを質問され、以下のように答えた。

「(KTMについては)ノーコメント。多くの人がくだらない話をしているよ。シーズンは3分の1を過ぎたところだし、少なくともこの色(ドゥカティ)でのシーズンがまだ残っている。できるだけ多くの表彰台、うまくいけばもう1、2勝を収めることを楽しみにしてから、ここ(ドゥカティ)から離れるか、このまま残るか、どちらかにしたい。いずれにしてもね」

4人が2023年MotoGPのシートを確保(2022年5月17日時点)

 5月12日にスズキが2022年末でMotoGPの参戦を終了することについてドルナスポーツと協議していることを発表したため、ジョアン・ミルとアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)も市場に出て移籍することが考えられている。2022年は24名が参戦しているMotoGPクラスだが、スズキのMotoGP撤退が現実になれば、来季は22名。少なくとも去就が決定している4人を除き18のシートが空いているが、誰がいち早く契約の発表をするだろうか。