4月16~17日、フランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで開催されているFIM世界耐久選手権(EWC)2022シーズン第1戦ル・マン24時間耐久ロードレースが現地時間16日15時(日本時間22時)にスタートしてから8時間が経過した。現在トップはF.C.C. TSR Honda Franceで、2番手がヨシムラSERT Motul、3番手はYART – Yamaha Official Team EWCが続いている。
渥美心が参戦しているOG MOTORSPORT BY SARAZINは11番手、SSTクラスでは5番手。ERC Endurance Ducatiはトラブルを抱え30番手まで後退、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMはリタイアした。
52台が出場する今大会は、ドライコンディションでスタート。ホールショットを奪ったのは#1 ヨシムラSERT Motulで、#5 F.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)、#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMWモトラッド)と続く。
しかし、ポールポジションの#7 YART – Yamaha Official Team EWC(YARTヤマハ)は今季もエンジンのかかりが悪く48番手までダウン。スタートで#96 TEAM MOTO AIN、#74 SEIGNEUR MOTORSPORT Team MONT BLANCが転倒を喫してオイルがホームストレート上に出た。
これによりセーフティカーが導入され、20分程コースの清掃が行われた。レース再開後はヨシムラSERT Motul、TSRホンダがトップを争い、BMWモトラッドがトップに追いつく。
その後、#6 ERC Endurance Ducati(ERCドゥカティ)が3番手に上がり、BMWモトラッドが4番手となる場面も。1時間を過ぎるころには#11 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE(SRCカワサキ)、YARTヤマハも上位に食い込みファクトリーチーム6台の争いへと変わり各チームが最初のピットに入った。
2時間が経過した段階では、TSRホンダとヨシムラSERT Motulがトップ争い、YARTヤマハとBMWモトラッドが約20秒差で3番手争い、SRCカワサキがトップから約50秒で5番手、すでに2度目のピットを終えたERCドゥカティが6番手と続く。
すでにピットルーティンは差があり、最初に入るのはERCドゥカティ、続いてYARTヤマハ、ヨシムラSERT MotulとTSRホンダ、SRCカワサキ、BMWモトラッドとピットストップウインドウが異なる。BMWモトラッドと新型マシンになったSRCカワサキは昨年から燃費が良くなっており、ヨシムラSERT MotulとTSRホンダは互角だ。
2時間以降は、トップのTSRホンダとヨシムラSERT Motulの差が約5秒開き、YARTヤマハが15秒~10秒差まで縮めた。BMWモトラッドは30秒差、SRCカワサキは1分差と遅れている。
3時間が過ぎ、#77 Wojcik Racing Team EWC 77がエンジンブロー。路面にオイルが出たことで2度目のセーフティカーが導入された。
ヨシムラSERT Motulはセーフティカー先導のなかトップを走っていたが、ピットインのギリギリでガス欠。マシンを押してピットまで戻りタイムロスもあったが、セーフティカーラン中だったため、同タイミングでピットインしたSRCカワサキにも抜かれず3番手を守った。
その間、TSRホンダがトップに躍り出て後続に半周差がついた。2番手がYARTヤマハ、3時間15分にBMWモトラッドがピットに入り、5番手でコースに戻った。
3時間35分、レースが再開。トップのTSRホンダから2番手争いをするYARTヤマハ、ヨシムラSERT Motul、BMWモトラッド、SRCカワサキの差は約1分で、ERCドゥカティはラップダウン。セーフティカーで得をしたTSRホンダの独走状態だ。
4時間27分、#56 PLAYERSのクラッシュで3度目のセーフティカーが導入され、同時にBMWモトラッドがマシンをガレージに入れる。すぐにレースが再開されたが、TSRホンダと2番手以下はほぼ1周差が開いた。
ピットに入っていたBMWモトラッドは大きなトラブルを抱えており、マシンを分解。飛び石でラジエーターが壊れ、エンジンがオーバーヒートしたためレースに戻れず、レース開始から約5時間でリタイアした。
また、8番手でSSTクラストップを走っていた#18 TEAM 18 SAPEURS POMPIERS CMS MOTOSTOREのマシンにトラブルが出たようで、コースでマシンを止めた後、緊急ピットイン。26番手、SSTクラス15番手まで順位を落とした。
渥美心擁す#66 OG MOTORSPORT BY SARAZINは順調にレースを進め、序盤は18番手、SSTクラス8番手だった。しかし、一時はピットのタイミングでSSTのラップリーダーになり、13番手のSSTクラス5番手まで上げた。
#333 VILTAIS RACING IGOLもコンスタントに順位を上げており、ERCドゥカティがピットに入ると5番手となった。
6時間20分が過ぎ、5番手を走るERCドゥカティのシャビ・フォレスが転倒し、4度目のセーフティカーランに。3コーナー辺りでオイルが出たためコースの清掃に入り、20分ほどでレースが再開した。
6度のピットを終えた上位陣では、トップはTSRホンダ、1分差でYARTヤマハ、ヨシムラSERT Motul、1ラップ差にSRCカワサキ、2ラップ差に#333 VILTAIS RACING IGOL、3ラップ差に#4 TATI TEAM BERINGER RACINGと続く。
また、ERCドゥカティのマシンがピットに戻ったのは15分後で、そこから修理に入り計40分のタイムロスで、32番手までポジションダウンした。
その頃、ヨシムラSERT Motulが2番手、YARTヤマハは3番手へと入れ替わる。そのまま3分の1レースが消化し、8時間を過ぎると、トップはTSRホンダ、2番手はヨシムラSERT Motul、3番手はYARTヤマハ、4番手はSRCカワサキ、5番手はVILTAIS RACING IGOLのオーダーに。4台リタイアしたため、48台で残りの16時間レースを戦う。