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GRスープラに「MTモデル」追加が公式に予告される!詳細は近日公開、続報を待とうぞ

| おそらくは「それほど売れない」だろうが、MTをラインアップに加える意義、そして宣伝効果は大きい |

ボクはBMWのMTに3年乗ったが、ペダルのストロークが長いのにクラッチがやたら手前でつながったという記憶がある

さて、ここ最近ウワサの絶えなかった「GRスープラのマニュアル・トランスミッション搭載モデル」。

そしてつい数時間前、トヨタ(Gazoo Racing)がその沈黙を破り、ツイッターへと「GTスープラ MTモデル」について近日情報を公開すると投稿しています。

現時点ではなんら詳細については語られず、しかし明確に「3ペダル」、そしてBMWが採用している樹脂製のクラッチペダル(のアーム部)を確認でき、「本当に出るんだな・・・」と感無量。

なぜトヨタはGRスープラにマニュアル・トランスミッションを?

なお、GRスープラはBMWとの共同開発となりますが、開発時から基本的に(BMWの採用する)ZF製のスポーツ8速ATを使用することが前提だったといいます。

その理由としては、GRスープラは「走りを楽しむ」というよりはシリアスに無駄を削ってサーキットを攻めるという性格が与えられていたためで、GRスープラの開発責任者にしてトヨタのスポーツ車両統括責任部長、多田哲哉氏は「86は練習機、GRスープラは戦闘機」だとも表現。

加えて開発初期の段階からMTでは速く走ることが難しく、GRスープラにはATの搭載が最適であるとも主張していますが、ここに来てその考え方が変わったということになりそうです。

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しかしながら、当時の発言につき、多田哲哉氏がもともと「MTを積みたかった」ものの、トヨタからNGを出されたのでATを推すしかなかったという考え方もでき、というのもGRスープラ発売後にはMT追加の可能性を示唆しているため(市場にその反応を問うた可能性も否定できない)。

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このあたりについては本人にしかわからないのでどうしようもありませんが、今回GRスープラにMTモデルが追加されるのは明らかであり、これはひたすら歓迎すべき事実です。

なお、今回の「MTモデル投入」については様々な要因があるかとは思うものの、「スポーツカーに対する市場の嗜好がアナログに回帰した」ことも大きな理由かと思われます。

最近まで、スポーツカーやスーパーカーについて、無駄を排してとことん効率を追求する方向で開発が進められ、そのために様々なテクノロジーが注ぎ込まれることになり、「運転している」よりも「乗らされている」感が強いクルマが多くなっていたのもまた事実。

ただ、コロナウイルスの蔓延によって多くの人々に「考える余裕」ができ、「実は、自分が欲しかったのは、最先端のスーパースポーツではなく、アナログなスポーツカーだった」と気づいた人が多数出現した、とも言われます。

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これによってコロナ禍におけるクラシックカーやアナログなスポーツカーの検索や売買が盛んになったとも報じられますが、この傾向について、今までは流行や市場の動向に流されていたものの、本当に自分が欲しいものをしっかり判断する人が増えてきた証左だとも考えられ、そういった人がMTへと回帰した可能性もありそうです。

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マニュアル・トランスミッションは今後もう手に入れることが難しい

そしてもう一つの大きな理由は、予想よりも早い「電動化への流れ」。

これによってマニュアル・トランスミッションの死刑執行が早まったと考えてよく、「絶滅する前に買っておかないと」と考えた人が多数出現したのかも。

実際のところ、ロータスやケーターハムについても「(表現はあまり良くないかもですが)消える前のろうそく」の如く最高の販売台数を記録しており、間違いなく人々のマニュアル・トランスミッションに対する注目は高くなっていると考えて良さそうです。

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さらに現代では「マニュアル・トランスミッションが設定されている」ということ自体が大きなニュースになる傾向があり、加えて「マニュアル・トランスミッションを用意している会社は、クルマのことをわかっている会社である」という風潮も生まれており、よってトヨタとしてはこの流れに乗らねばならないと考えたのかもしれません(新型フェアレディZへの対抗も必要)。

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ただ、ぼくが思うに、マニュアル礼賛の人たち(マニュアル・トランスミッションが用意されていないクルマはスポーツカーではないというような)の多くは実際にMT車を運転したことがないんじゃないかとも捉えていて、そうでなかったとしても実際に(自分のクルマに)マニュアル・トランスミッションを選ぶ人は多くないだろうとも推測しており、GRスープラのMTモデルが導入されたとしても「たぶん台数は出ないだろうな」とも考えているわけですね。

それでも、GRスープラにマニュアル・トランスミッションを選べるというだけでトヨタそしてgazoo Racingの地位が(一部で)向上するのは間違いなく、金銭には換算できない広告宣伝効果が得られるのかもしれません。

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