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 5月15日、MotoGP第7戦フランスGPの決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、MotoGPクラスでエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が今季3勝目を挙げた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は2戦連続の7位フィニッシュを果たしている。

 天候が心配された決勝日は、Moto3クラスの決勝レースで一時的に雨が降り、赤旗中断となったが、その後、天候は回復。MotoGPクラスの決勝レースは気温28度、路面温度36度のドライコンディションで始まった。

 なお、予選後にヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)に3グリッド降格のペナルティが科され、6番手タイムを記録したザルコは9番グリッドとなった。このペナルティは、Q2中、4コーナー立ち上がりで他のライダーの走行を乱すスロー走行を行ったことによるものである。

 好スタートを切ったのは2番グリッドスタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)だった。2番手にはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続き、その背後に7番グリッドスタートのリンスがつける。4番手にはエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、5番手にはジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が続く展開だ。

 しかし3周目、3番手走行中だったアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が2コーナーでコントロールを失ってコースを外れ、グラベルをハイスピードのまま直進すると、その先の4コーナー付近で転倒を喫する。リンスはその後、リタイアとなった。リンスの転倒により、トップ争いはドゥカティ・レノボ・チームの二人、ミラーとバニャイアによって展開されることになった。

 4周目、7コーナーでバニャイアがミラーをパスするとトップに浮上した。トップのバニャイア、2番手のミラー、そして3番手に続くバスティアニーニ、4番手のミルはそれぞれ0.3秒ほどの差を維持する状況だった。

 その後方には3番グリッドスタートから後退した5番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)、そしてファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が続く。

 レースが中盤に入ると、3番手のバスティアニーニが少しずつ2番手のミラーとの差を詰めていく。バスティアニーニは12周目の8コーナーのブレーキングでミラーのインサイドに入ると、オーバーテイク。バスティアニーニが2番手に浮上した。その後方では、14周目に4番手走行中だったミルが14コーナーでスリップダウンを喫し、チーム・スズキ・エクスターはフランスGPをそろって転倒リタイアで終えることになった。

 このとき、トップを走るバニャイアと2番手のバスティアニーニとの差は約0.5秒。しかし次第にバスティアニーニがギャップを詰めていく。残り10周にはその差はほとんどなくなった。3番手のミラーはバスティアニーニの1秒以上後方を走っている。トップ争いはバニャイアとバスティアニーニにしぼられた。

 残り7周、3コーナーでバスティアニーニがバニャイアをかわす。6コーナーでバニャイアがバスティアニーニからトップを奪い返すも、8コーナーでオーバーラン。さらに14コーナーで転倒を喫し、終盤までレースをリードしていたバニャイアはここでリタイアとなった。

 バスティアニーニは単独トップとなり、2秒以上後方でミラーが2番手を走行。さらに1秒以上後方にアレイシ・エスパルガロとクアルタラロが3番手争いを展開していた。

 トップを走るバスティアニーニはそのままチェッカーを受け、今季3勝目を挙げた。今季、第7戦まで複数回の優勝を飾っているのはバスティアニーニのみである。2位はミラー、3位はアレイシ・エスパルガロが獲得し、3戦連続、今季4度目の表彰台を獲得している。

 アレイシ・エスパルガロと3番手争いを展開していたクアルタラロは0.106秒及ばず、母国グランプリで4位。同じく母国グランプリのザルコは5位、マルク・マルケスは6位だった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は前戦スペインGPに続く7位フィニッシュを果たしている。