WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、5月19日(木)から22日(日)にかけて、ポルトガル北部で開催される2022年シーズン第4戦『ラリー・ポルトガル』で今季3勝目を狙う。
今戦、チームには開幕戦モンテカルロで総合2位となったセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組が復帰。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、すでに2勝を挙げランキングトップに立っているカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組とともに、今季初めて行われるグラベル(未舗装路)ラリーに臨むことになる。
第4戦ポルトガルは、ここから5戦連続で開催されるグラベルラリーの初戦であると同時に、“WRCハイブリッド時代”元年の今年デビューしたラリー1カーにとって最初のグラベル・ラウンドとなる。
そんなラリー・ポルトガルは、ハイスピードな区間とテクニカルな区間の両方をあわせ持つのステージが特徴だ。そのため、グラベルでのクルマの総合性能を判断するうえで最適なラリーであると言われている。
初日は1番手スタートとなるロバンペラが路面の“掃除役”を担うことになる今戦は、ポルトガル北部の都市であるポルトの郊外にあるマトジニョスにラリーの拠点が置かれ、19日(木)夜に行われるセレモニアルスタートで幕が開ける。
直後に市街地でのスーパーSSが行われた後、翌20日(金)から本格的なラリーがスタート。8本のSSで争われるが昨年と同様に日中のサービスが設定されていないため、クルマのマネジメントが重要となる。
デイ3の21日(土)は、日中のサービスを挟みつつ計7本のSSを走行する。最終日の22日(日)は名物ステージの“ファフェ”を含む計5本のSSで争われ、最終ステージのSS21はステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与される“パワーステージ”となっている。ラリーの合計距離は338.34km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1522.89kmだ。
「ポルトガルでWRCに復帰できることに興奮している。しばらく休日を楽しんだので、新鮮な気持ちでラリーに臨むことができそうだ」と語るのは、ラリー・ポルトガルで最多優勝タイ記録の通算5勝を挙げているオジエ。今季2度目の登場となる“現王者”は、初日のステージを後方8番手からスタートする予定だ。
「このラリーでは何度も良い結果を残してきたので、僕にとってポルトガルは特別な場所だ。出走順が早くないのは自分にとって今までと大きく異なる状況だから、雨が降らずに有利なコンディションで走れることを願っている」
■エバンスとオジエは「優勝争いに加わる可能性が高いのではないか」とラトバラ代表
TOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表は、ポルトガル・ラウンドがこの先のシーズンを占う意味で大事な戦いになると見ており、各チームやクルマのレベルを見る上で非常に興味深いラリーになると話した。
「ターマック(舗装路)とスノーの開幕3戦で、トヨタGRヤリス・ラリー1は非常に高い競争力を発揮した」とラトバラ。
「次戦ポルトガルは、この先の6週間に行われる3つの難しいグラベルラリーの最初の1戦であり、各チームやクルマのレベルを見る上でとても興味深いラリーになるだろう」
「今シーズンはグラベルのラリーが多いので、未舗装路で高い競争力を備えていることが重要ですし、ドライバーに信頼性の高いマシンを提供することも、今後のグラベルラリーを戦う上でとても大事だ」
「ポルトガルの路面は、ドライコンディションの場合、ルーズグラベルが多いため出走順がトップのドライバーは非常に苦労する。金曜日に遭遇するであろう困難な路面コンディションは、カッレ(・ロバンペラ)にとって新たな経験になると思うが、たとえそこでタイムを失ったとしても、彼はきっと冷静に対処してくれるはずだ」
「一方、エルフィン(・エバンス)とセブ(セバスチャン・オジエ)は出走順がいいので、ふたりとも優勝争いに加わる可能性が高いのではないかと予想している」