D’station Racing
Race Report – 2022.5.12
dstation-racing.jp
Instagram : @dstation_racing
Twitter : @dstation_racing
Facebook : @DstationRacing
2022 FIA World Endurance Championship
Round.2 6 Hours of Spa-Francorchamps (BEL)
MAY. 5 – 7 Qualify :7th / Race:7th
大荒れのレースを粘り強く戦い2戦連続のポイントを獲得
3月にアメリカのセブリングで開幕した2022年のWEC世界耐久選手権。約1ヶ月強のインターバルで迎えた第2戦の舞台は、ベルギーのスパ・フランコルシャン。世界屈指のドライバーズサーキットで、例年この時期に開催され、6月のル・マン24時間の前哨戦としても位置づけられている。そしてD’station Racingにとっては、WECへの挑戦をスタートさせた思い出の地でもある。2021年にすでに一度経験しているということは、チームにとっても大きなアドバンテージだ。
ただ、2021年オフからスパ・フランコルシャンはサーキットが全面改修されていた。コースの基本レイアウトは変わらないが、コーナーの形状もわずかに変わり、ドライバーとしての対応が必要となった。D’station Racingのアストンマーティン・ヴァンテージAMR GTEは、2021年のセットアップをベースとしながら5月5日(木)のフリープラクティス1に臨んだ。セットアップは良好で、藤井誠暢がまずステアリングを握りコースイン。チャーリー・ファグ、星野敏と交代しながらコースを習熟し、4番手と好位置につけた。
明けて5月6日(金)は、フリープラクティス2、フリープラクティス3とセットアップをブラッシュアップしながら、午後6時20分からの予選に臨んだ。今回もアタッカーを務めたのは星野だ。果敢にアタックした星野は、3周目に2分20秒318、4周目に2分21秒026をマーク。ただ、2周ともトラックリミットのペナルティをとられてしまい、5周目にマークした2分21秒168が最速に。それでも7番手という位置を獲得した。
明けて5月7日(土)の決勝レース。コロナ禍も明けつつあり、サーキット改修を祝う多くのファンが詰めかけるなか、午後1時からの決勝レースを迎えた。天候は曇り空だが、スパ名物とも言える雨が近づく天気予報も出ていた。
D’station Racingの777号車アストンマーティンは、藤井がステアリングを握りレースをスタート。1周目にふたつ、4〜6周目にひとつずつ順位を上げ、トップ3に食い込む。藤井のスティント終盤には、#21 フェラーリを追い首位争いを展開していった。
藤井は今回もスタートドライバーの大役を務め星野に交代するが、ここからレースは波乱の展開となっていく。交代して10分程度というところで、LMP2車両のクラッシュで赤旗中断。さらにポツポツと雨が舞いはじめ、#8 トヨタの車両回収の間のセーフティカーランのうちに滝のような雨が降りはじめ、再度赤旗となる。
レースは残り3時間35分、セーフティカーランで再開し、その後リスタートを迎えることになるが、最終シケインで#85 フェラーリが強引なターンインでコーナリングしていた星野に接触。スピンさせられてしまった。幸いコースに復帰したが、その後も雨が強くなったり弱くなったりが繰り返され、残り3時間2分でフルコースイエローになったほか、LMP2車両のクラッシュで再度赤旗。レースは荒れに荒れていった。
そんな難しいスティントをこなした星野は、55周までのスティントをしっかりとこなすと、ファグにステアリングを託した。残り2時間07分でレースはリスタートした後、だんだんとコンディションが回復していった。
少しずつ路面が乾いていく難しいコンディションのなか、ファグとチームは路面状況を見ながら、少しずつペースアップ。ライバルたちのミスもあり、順位も少しずつ上がっていった。
ファグはチェッカーまでの長いスティントをしっかりとこなし、最後は7位でフィニッシュ。貴重な6ポイントを加算した。第1戦に続く連続入賞で、ランキング5位につけた。
いよいよ次戦は、シリーズのハイライトとも言えるル・マン24時間。星野と藤井にとっては、2021年に初完走を果たし夢を叶えた一戦だ。開幕2戦の好調さを活かし、世界最高峰の舞台で初年度を超える結果を目指していく。
COMMENTS:
Driver:Satoshi HOSHINO
2年目のスパ・フランコルシャンでのレースを終えました。昨年からコースレイアウトが変更されましたが、フリープラクティスの段階でかなり慣れることができ、まずまずの走りで予選、決勝レースに臨むことができました。決勝では私のスティントがヘビーウエットとなり、非常に怖いシチュエーションでしたが、なんとかクルマにダメージを受けることなく、なんとか次のスティントに繋ぐことができて本当に良かったです。最終的に7位という結果に繋がったことも良かったですね。この経験をしっかりと活かして、次戦のル・マン24時間レースでは、昨年を上回る結果を残すことができればと思っています。今回もご声援ありがとうございました。
Driver:Tomonobu FUJII
昨年に続き2回目となるスパでのレースとなりましたが、フリープラクティスからクルマのバランスが良く、自分も星野選手、チャーリー選手も良い流れでプラクティスを終え、予選に臨むことができました。7番手から決勝に臨みましたが、自分のスティントはドライで良かったものの、星野選手のスティントは大雨で、コースに留まることが難しいくらいのコンディションでしたが、うまくマネージメントしてくれたおかげでチャーリー選手に繋ぐことができましたし、チャーリー選手も難しい状況で良いペースで戦ってくれて、7位で終えられたのは良かったです。次戦のル・マンは難しくレベルも高いですが、昨年のような良いレースができるよう、開幕2戦の流れを繋げたいですね。
Driver:Charles FAGG
僕にとっては、第1戦に続き、ル・マン24時間に向けた良い練習ができた素晴らしいレースとなった。非常に難しいコンディションのなかで追い上げ、7位に入ったのは良い結果だったのではないかと思っているよ。終盤は僕のキャリアのなかでも最もハードなレースのひとつだったと思う。そんななかで、クルマをしっかりとフィニッシュまで持ち帰ることができたのは本当に良かったよ。レースウイークを通じてハードワークをこなしてくれたD’station Racingのみんなには心から感謝しているし、ウエットコンディションでもドライでも、クルマはパーフェクトだった。星野サン、藤井サンとともに力を出し切ることができた。僕にとって初めてのル・マンを楽しみにしているよ!
Team Director:Tom FERRIER
走り出しからクルマのバランスも良く、ドライバーが3名とも非常に良いペースで走ってくれた。スパはコースも改修され、攻め方も今までとは違う部分もあったが、チーム全体がそれぞれの仕事をこなし決勝まで繋げることができたと思う。レースではスタートから順調だったが、ピットのタイミング、ストラテジーなど難しい要素がたくさんあった。しかしドライバー、チームが仕事を完遂したことで7位という結果を残すことができたと思う。開幕から6位、7位と連続でポイントを獲得し、ランキング5位につけているが、次戦のル・マン24時間では昨年のような素晴らしいレースができるよう、チーム全体で力を合わせていきたいと思っている。
Chief Engineer:Jonathan LYNN
第2戦スパへセットを変更し持ち込んだが、うまく機能してくれたのではないだろうか。走り出しでは4番手につけ、フリープラクティスを通じてクルマをアジャストし3名とも走りやすいクルマを作ることができたと思う。予選では星野サンが頑張ってくれて7番手を獲ることができたが、今後さらに期待したいね。レースは雨が降り非常に難しい展開となったが、多くのチームがアクシデントに見舞われるなかで、うまく組み立てられたと思っているよ。しかし、次戦のル・マンはもっと長い。ここではチーム力、ドライバー力のすべてが試される。最高峰の舞台で、良い結果を得られるよう頑張っていきたいね。