TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからWRC世界ラリー選手権にフル参戦している勝田貴元は、4月にクロアチアで開催されたWRC第3戦『クロアチア・ラリー』では慎重な走りで、イベントを総合6位で完走した。彼は次戦5月19~22日に行われる、今季第4戦のポルトガルでペースを上げたいと意気込んでいる。
過去4度『ラリー・ポルトガル』に参戦し、2021年大会はトヨタ勢2番手、シーズンのセカンドベストタイの結果となる総合4位入賞を果たした勝田。彼は現在、僚友のカッレ・ロバンペラによってチャンピオンシップをリードしている『トヨタGRヤリス・ラリー1』の限界を探ることを楽しみにしている。
ポルトガル北部にあるマトジニョスを中心に開催される2022年シーズン第4戦は、チャンピオンシップが“ハイブリッド時代”に突入し、プラグイン・ハイブリッドシステムを搭載したラリー1カーが走るようになってから迎える初めてのグラベル(未舗装路)ラリーであり、各チームと各社の新しいラリーカーにとって新しい学習曲線を提示する。
そんなポルトガル・ラウンドに、引き続きトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦する勝田は、次のラリーに自信があると語った。
「(GRヤリス・ラリー1で)まだグラベルの上をあまり走っていませんが、このクルマは路面とうまくマッチしていると思います」とWRC公式サイト『WRC.com』に語った勝田。
「自信もありますし、ポルトガルのサーフェス(路面)もラリーも気に入っています。雨が降らないといいですね。ドライコンディションが望ましいです」
開幕3戦を終えた時点でポイントランキング6番手につけている勝田は、今シーズンを安定したスタートを切っている。総合8位で終えた開幕戦モンテカルロを皮切りに、雪のスウェーデンで総合4位、クロアチアのターマックでは総合6位入賞を果たした。
しかし、彼はクロアチアでの戦いはフラストレーションを感じるものだったという。
「クロアチアの週末は少し苛立ちを感じるものでした」と語った勝田。
「たくさんのことを学びながら最後まで忍耐強く、クルマを(フィニッシュまで)持っていくことを優先しました」
「つねに(天候や路面の)状況が変化しているなかでクルマについて学ぶのは、簡単ではありませんでした。ポルトガルがそのようにならないことを祈っています」
「より困難な気象条件であるほど、より多くのことを学ぶことができることはわかっていますが、安定したグリップとグラベルでGRヤリス・ラリー1をハードドライブする機会があるといいですね」
既報のとおりWRCの次戦ポルトガルは、トヨタの“現王者”セバスチャン・オジエが今季2戦目のスポット参戦を果たす。また、Mスポーツ・フォードWRTからは元9連覇王者セバスチャン・ローブの参戦も決まっており、同ラウンドは開幕戦以来、今季2度目の“ふたりのセブ”対決が実現する予定だ。