キャデラックは6月9日、近日中に発表される予定であるLMDhカーの最新レンダリングを公開した。同時に、ハイブリッドシステムと連動する搭載エンジンも明らかにされ、5.5リットルDOHC V8の採用がアナウンスされた。
ゼネラルモーターズ(GM)のブランドは、ル・マンのレースウイーク中にキャデラックDPi-V.Rの後継モデルとして2023年のWEC世界耐久選手権、およびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦する次世代プロトタイプ・レーシングカーに関する詳細情報を提供した。
アメリカのメーカーは『キャデラック・プロジェクトGTPハイパーカー』と呼ばれる車両の最終デザインを公開し、キャデラックのデザインチームとキャデラック・レーシング、そしてシャシーパートナーのダラーラ社が共同開発した車両の形状を見ることが可能となった。
このレンダリングでは垂直方向に伸びるライトや、サイドフェンダーからコクピット側に伸びる“フローティングブレード”など、ブランドを識別する特徴が取り入れられているのが確認できる。
「キャデラックがふたたびグローバルなレースの舞台で戦うことになり、20年ぶりにル・マンに復帰できることに私たち全員が興奮している」と語るのは、グローバル・キャデラックのローリー・ハービー副社長。
「キャデラック·レーシングは、2023年のIMSAとWECの両方のレースに出場することで、その能力とクラフトマンシップ、テクノロジーを発揮する機会を得る」
キャデラックは2021年8月にLMDhプログラムを発表しており、プロジェクトのパートナーチームとしてアクション・エクスプレス・レーシングとチップ・ガナッシ・レーシングを指名している。
メーカーによると、WECのハイパーカークラスとIMSA GTPクラスを戦うことになる車両に搭載される5.5リットルDOHC V8エンジンは「まったく新しい」もので、現在IMSAのDPiクラスに参戦しているキャデラックDPi-V.Rと同じ排気量とV型8気筒を踏襲しているという。
キャデラックは今春に新型マシンのシェイクダウンを実施したいと考えていたが、現在は夏のロールアウトを目指している。同時期の7月はフェラーリのハイブリッドLMHが走り始める予定で、3日前に発表された同じくダラーラベースの『BMW M ハイブリッドV8』もシェイクダウンを予定している。
GMのスポーツカーレーシング・プログラム・マネージャーを務めるローラ・ウォントロップ・クラウザーは、「キャデラックのようなアメリカを代表するブランドとともに、ル・マンで総合優勝を争うことは大変名誉なことです」と述べた。
「キャデラックのレーシング・レガシーを構築し続けるために、世界でもっとも過酷なレースで、世界を戦う強豪たちと競い合うことに、チーム全員が興奮しています」