5月10日、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookの公式テストが開催され、スポーツ走行を挟みながら1時間のセッションが3回と夜間練習走行が行われた。セッション1ではHELM MOTORSPORTS GTR GT3、セッション2、3ではDAISHIN GT3 GT-R、そして夜間練習走行ではふたたびHELM MOTORSPORTS GTR GT3が総合トップタイムをマークしている。
2022年シーズン二度目となる今回の公式テストは、6月3~5日に開催されるスーパー耐久シリーズ第2戦『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』に向けたテストで49台がエントリー。前日の搬入日は午前は曇り空だったものの、午後から雨が降り完全なウエットコンディションとなったが、テスト当日は快晴に恵まれ、1時間ずつのデイセッションが3回、1時間50分間のナイトセッションが1回行われた。
ST-Xクラスでは、今季から戦いの場をST-Xに移したHELM MOTORSPORTS GTR GT3がセッション1で1分41秒587でトップとなるが、その後のセッションではこれまでの富士24時間で圧倒的な好結果を誇っているDAISHIN GT3 GT-Rが好走をみせ、1分40秒821という総合トップタイムをセッション3で記録している。また、今季は富士24時間から参戦するMP Racing GT-Rもテストに参加し、1分41秒148というベストタイムをマークした。
FIA GT4マシンで争われるST-Zクラスには6台が参加し、富士24時間から参戦を行うAudi Team HitotsuyamaのAudi R8 LMSがセッション3に1分47秒592を記録しクラストップに。なお、Porsche Team EBI WAIMARAMAのPorsche Cayman GT4 RSはKIZUNA、千代勝正、山野直也、大草りきというメンバーに加え、2021年も富士でチームに加わっていたジュリアーノ・アレジも乗り込んでいる。
そして注目の『新型ニッサンZ(日本名フェアレディZ)をベースとしたレースカー』が参加したST-Qクラスは7台が走行を行い、ENDLESS AMG GT4が1分48秒957を記録し最速となるも、新型Zも初テストながら230号車が1分50秒426、244号車が1分50秒651のベストタイムを記録した。一方ORC ROOKIE GR86 CNF Concept、ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは細かい改良でテストに臨んだものの、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは新たな改良もトライしている。
3台が参加したST-1クラスはセッション1から1分46秒914を記録したシンティアム アップル KTMが速さをみせ、全セッションをトップタイムで終えている。また、5台がエントリーしたST-2クラスはENDLESS GRヤリスがセッション1で1分53秒189をマークしてクラストップタイムを記録した。
ST-3クラスには6台が参加し、セッション1はmuta Racing LEXUS RC 350 TWS、セッション2はエアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSと、レクサスRC350勢がトップとなるも、セッション3で1分52秒048を記録した埼玉トヨペット GB クラウン RSが最終的なクラストップタイムを記録した。一方、第1戦は開催されず、第2戦富士が開幕戦となるST-4クラスで好調さをみせたのは石川京侍/国本雄資/山田真之亮といったスーパーGTドライバーが駆るシェイドレーシング86となり、セッション1で1分58秒014をマークしている。今季、新車のGR86を投入する予定のチームも多いが、車両の完成がずれ込んでいるようで、今回のテストには一台も姿をみせなかった。
そして13台が参加したST-5クラスで最速タイムを記録したのはLOVEDRIVE ロードスターとなり、セッション2で2分04秒575を記録している。テストは10時10分から1時間ずつの走行が3回、さらに18時40分から夜間走行が行われたが、全セッションで大きなアクシデントは起こらず、各チームが順調にテストメニューをこなしていき、夜間走行は走行しないチームがあったものの、富士24時間レースに向けて多くの車両が走行を行った。