6月6日、スペインのバルセロナ・カタロニア・サーキットで2022年MotoGPクラスのカタルーニャ公式テストが開催され、レギュラーライダーとテストライダーのミケーレ・ピロ(ドゥカティ・テスト・チーム)の25名がエントリーしたが、3名が不参加で22名が走行した。
2022年はシーズン中に3度のオフィシャルテストを計画。5月2日のヘレステスト、今回のカタルーニャテスト、そして9月6~7日にサンマリノテストが実施される。
今回のカタルーニャテストは、ドライコンディションで行われ、気温は28度まで上昇した。22名が参加できたが、前日のカタルーニャGP決勝で転倒した中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は大事をとって入院、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)は左手首を骨折、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)は右手の手術に向かい不参加となった。
トップタイムは1分39秒447を記録したファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)だった。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム)とともにリヤグリップの向上のためアルミ製のスイングアームを検証した。
また、ドヴィツィオーゾは新しいエアロパッケージを試し、フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、カーボン製のスイングアームをテストした。クアルタラロはセッティングを元に戻し、ムジェロで投入した新エアロパッケージを以降使用しないという。
ドゥカティ勢はヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)がジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が昨シーズン終盤に試したシャシーの進化型をテスト。ミラーは仕様が異なるホールショットディバイスを検証した。
そのほかのライダーは改良されたと思われるエアロパッケージをテスト。テストライダーのミケーレ・ピロ(ドゥカティ・テスト・チーム)は、2021年型に似たスイングアームとザルコが試したシャシーの比較検証に取り組んだ。
アプリリアは大幅な改良が加えられたサイドフェアリングと幅が広いフロントウイング、イタリアGPで登場したリヤウィングを準備。マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)は新シャシーもテストした。アップグレードされたエンジンもあったという。
スズキはジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)のみ走行を行い、異なる2タイプのエアロパッケージを準備。現在のバージョンにサイドポッドが追加されたものとまったく新しい形状のものをテストした。
ホンダ勢はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は4度目の右上腕骨手術で離脱、中上も前日の転倒で参加できていない。そのため、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)とステファン・ブラドル(レプソル・ホンダ・チーム)、アレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)がテストプラグラムに着手した。
ポル・エスパルガロは多くのコンポーネントやいくつかのエアロパッケージ、新シャシーなどをテスト。アレックス・マルケスは中上が使用していた柔らかめのシャシーを試す機会があり、フロントのパフォーマンス向上を目指して、フロントフォークのジオメトリーを調整した。
ブラドルは、中上が冬に試したシャシー、マルク・マルケスがムジェロで試したシャシーに乗り込み、データを収集した。
KTMは新しいパーツを試しており、昨年のパーツの再評価も行ったようだ。