6月4~5日、2022FIM世界耐久選手権(EWC)第2戦スパ24時間耐久ロードレース決勝がベルギーのスパ・フランコルシャンで行われ、渥美心が参戦したOG MOTORSPORT BY SARAZINは総合24番手(SSTクラス11番手)からスタートして総合12位(SSTクラス3位)でフィニッシュして表彰台を獲得した。
昨年まで全日本ロードレース選手権に参戦していた渥美は、2022年からフランスに移住。OG MOTORSPORT BY SARAZINに加入してEWCに参戦している。
OG MOTORSPORT BY SARAZINでは、スポット参戦した2021年の第3戦ボルドール24時間で完走してSSTクラス4位。今シーズンの第1戦ル・マン24時間ではリタイアに終わったため、スパ・フランコルシャンでは表彰台を狙っていた。
迎えたスパ24時間の予選では、チームメイトのロベルト・ロルフォとアレックス・プランカッサーニュが2分26秒台のなか、渥美は2分25秒317と好タイムを記録して24番手(SST11番手)を獲得した。
しかし、決勝日のウォームアップ走行でプランカッサーニュが転倒を喫してレースを欠場。PITLANE ENDURANCE #86 – JP3の第4ライダーで同じヤマハYZF-R1を駆るアレクサンドル・サント・ドミンゲスを第3ライダーに迎えて戦った。
決勝では渥美がスタートライダーに選ばれ、予選と同じ24番手(SST11番手)でレースを進める。ロルフォに交代し、開始から1時間経過した段階では19番手(SST8番手)へと上がり、2時間では15番手(SST5番手)と順調な滑り出しだった。
その後は大きく順位が変わらなかったが、セーフティカーランとなった5時間にルーティンではないピットインを行ったことで25番手(SST11番手)付近までポジションダウン。しかし、8時間40分には17番手(SST4番手)まで回復した。
その後はSSTクラス4番手でレースを進めるが、3番手のチームとは差が大きく縮まらない。ところが、雨が強くなった18時間40分にSSTクラストップのTEAM 33 LOUIT APRIL MOTOが転倒。その際、OG MOTORSPORT BY SARAZINのライダーは渥美だったが、丁寧に走りウエットタイヤに交換してSSTクラス3番手まで浮上した。
21時間が過ぎ、12番手(SST3番手)で2時間以上赤旗中断となった。そして、残り16分にセーフティカーランで再開されるが、ロルフォが堅実にポジションを守って見事総合12位、SSTクラス3位表彰台を獲得した。
渥美にとっては、TONE RT SYNCEDGE4413 BMWから参戦した2019年の鈴鹿8耐でのSSTクラス優勝、2019-2020シーズンのセパン8耐のSSTクラス3位に続き、EWCでの表彰台は3度目。しかし、24時間レースでは初めての表彰台に輝いたことになる。
さらに、計488ラップを周回したOG MOTORSPORT BY SARAZINは、ロルフォが181周、渥美が208周、ドミンゲスが99周を走り、渥美はダブルスティントを3回担当するなど今回も大活躍となった。
■渥美心(OG MOTORSPORT BY SARAZIN)
「3回目の24時間レースで初めての表彰台を獲得できました!24時間が厳しいレースであることはもちろんですが、今回のレースは想像以上に大変でした」
「レース当日のフリー走行でチームメイトのアレックス選手が転倒し負傷離脱、レース直前に他チームよりアレクサンドル選手が新たに加わりました。そしてレース中には電気系のトラブルが何度かあり、いつも通りに走れない時間が長かったです。とにかくコース上に留まり周回を重ねることに専念し、レース終盤の雨にも助けられて着実に順位を上げられました」
「前戦リタイアに終わったル・マンからチームでは準備や改善を進めてきたので、その頑張りが報われて3位表彰台を獲得できたことが本当に嬉しいです。応援してくださった全ての方々に感謝しております。今後とも応援よろしくお願いします!」