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 6月4~5日、FIM世界耐久選手権(EWC)2022シーズン第2戦スパ24時間耐久ロードレースの決勝レースがベルギーのスパ・フランコルシャンで行われ、#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターベルガー/イルヤ・ミハルチク/ジェレミー・ガルノニ組)が優勝した。また、#66 OG MOTORSPORT BY SARAZIN(ロベルト・ロルフォ/渥美心/アレクサンドル・サント・ドミンゲス組)がSSTクラス3位を獲得した。

 2022年シーズンは昨年王者で第1戦ル・マン24時間を制したヨシムラSERT Motul、2017-2018年王者のF.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)が日本チームで登録している。OG MOTORSPORT BY SARAZINからは日本人ライダーの渥美心がフル参戦している。

 予選はYART – Yamaha Official Team EWC(YARTヤマハ)がポールポジションを獲得。2番手はBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMWモトラッド)、3番手はヨシムラSERT Motul、4番手はTSRホンダとなった。

2022EWC第2戦スパ24時間 スタートシーン
2022EWC第2戦スパ24時間 スタートシーン

 38台が出場した決勝レースは、ドライコンディションでスタート。スタートからファクトリーチームが激しいトップ争いを繰り広げ、1度目のピットストップが終わった55分頃にギャップも落ち着いてきた。

2022EWC第2戦スパ24時間 序盤のトップ争い
2022EWC第2戦スパ24時間 序盤のトップ争い

 3時間10分、2番手だったYARTヤマハがトラクションコントロールシステムのトラブルで約4分タイムロスして7番手でコースに復帰。WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE(SRCカワサキ)は序盤に3度の転倒を喫してリタイアを喫した。

 10時間、ヨシムラSERT Motulがガレージでギヤボックス交換作業を25分行い10ラップダウンの14番手でコースに戻った。11時間45分頃から燃料ポンプのトラブルでピットに留まっていたERC Endurance Ducati(ERCドゥカティ)は16時間が過ぎてリタイアを宣言した。

F.C.C. TSR Honda France/2022EWC第2戦スパ24時間
F.C.C. TSR Honda France/2022EWC第2戦スパ24時間

 14時間48分、首位のTSRホンダがコース中盤でチェーンが切れてスローダウン。15時間02分にマシンを押してピットに戻り、約35分後に10番手でコースインした。

 レース開始から16時間が経過した時点では、トップがBMWモトラッド、2番手が同一周回のYARTヤマハ、3番手が6周遅れのTATI TEAM BERINGER RACING、4番手が8周遅れのWojcik Racing Team EWC 77、5番手が8周遅れのヨシムラSERT Motul、6番手はSSTクラストップのTEAM 33 LOUIT APRIL MOTOとなり、4台がリタイアしたため34台となった。

ヨシムラSERT Motul/2022EWC第2戦スパ24時間
ヨシムラSERT Motul/2022EWC第2戦スパ24時間

 この頃には夜も開けて明るくなってきた。そして16時間18分、ヨシムラSERT MotulがWojcik Racing Team EWC 77をかわして4番手に浮上。TSRホンダは10番手だ。16時間51分、SSTクラスのWojcik Racing Team STK 777が転倒を喫した。

 18時間が経過しようとした頃、好走していたYARTヤマハがトップを奪い、BMWモトラッドが2番手に。しかし、BMWモトラッドが再び首位を奪い、スプリントレースのような抜きつ抜かれつのレース展開となった。また、所々で雨が降り始めた。

 18時間33分、トップを走っていたYARTヤマハがエンジンブローして白煙が上がりリタイアを宣言。これでBMWモトラッドが単独首位となった。

転倒でマシンを壊したヨシムラSERT Motul/2022EWC第2戦スパ24時間
転倒でマシンを壊したヨシムラSERT Motul/2022EWC第2戦スパ24時間

 18時間40分が過ぎると雨が強くなり、SSTクラストップで7番手を走るTEAM 33 LOUIT APRIL MOTOがウエット路面にすくわれてホームストレートで転倒。また、4番手のヨシムラSERT Motulも5コーナーで転倒を喫してマシンのフロント部分が大きく破損したが、自走でピットに戻る。さらに、6番手のTSRホンダも5コーナーで転倒を喫した。

 ウエットタイヤに変更したにも関わらず、7台ほどが転倒したことによりセーフティカーが導入された。ヨシムラSERT Motulは21分の修復作業で5番手でコースに復帰した。

渥美心(OG MOTORSPORT BY SARAZIN)/2022EWC第2戦スパ24時間
渥美心(OG MOTORSPORT BY SARAZIN)/2022EWC第2戦スパ24時間

 19時間18分にレース再開。トップはBMWモトラッド、2番手は8周差のTATI TEAM BERINGER RACING、3番手11周差のWojcik Racing Team EWC 77、4番手は12周差のTSRホンダだ。渥美心が所属するOG MOTORSPORT BY SARAZINは12位、SSTクラス3番手まで浮上した。

 19時間35分、TSRホンダが3番手に浮上。その10分後、ヨシムラSERT Motulが4番手に浮上し、Wojcik Racing Team EWC 77は5番手とペースが上がらない。

 20時間が過ぎると同一周回のTSRホンダとヨシムラSERT Motulが3位争いをはじめた。21時間が過ぎるとTSRホンダがピットインしたためヨシムラSERT Motulが3番手に浮上した。21時07分、FALCON RACINGのマシンからオイルが漏れたためセーフティカーランとなった。10分後、赤旗となり全車がピットに戻った。

 そのまま2時間以上レースが中断され、レース残り20分にピットレーンがオープンして、残り16分にセーフティカーランで再開し、ラスト7分間はSCが開けてバトルとなった。すぐに3番手のヨシムラSERT Motulと4番手のTSRホンダが入れ替わるが、残り2分でヨシムラSERT Motulが3番手を奪い返す。最終ラップまでバトルが繰り広げられて、TSRホンダが3位を奪った。

 そして、508ラップを周回したBMWモトラッドが23回のピット回数で、昨年の第4戦モスト6時間以来2勝目、24時間レースは初めて制覇した。2位は7周差のTATI TEAM BERINGER RACING、3位が9周差のTSRホンダと続き、4位が9周差で最後に抜かれたヨシムラSERT Motulだった。

 SSTクラス優勝は総合8位のTEAM LH RACINGで、2位は総合11位のTEAM 18 SAPEURS POMPIERS CMS MOTOSTORE、3位は総合12番手で渥美心を擁するOG MOTORSPORT BY SARAZINだ。レースは38台中、7台がリタイアしており、31台が完走を果たした。

 次戦は8月7日に三重県の鈴鹿サーキットで、第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催される。