| クルマが複雑化してくるとともにトラブルの内容、リコールの内容が多様化してきた |
安全を担保するはずの運転支援装置が「アダ」になる場合も
さて、ホンダがN-BOXなど軽自動車に約22万台のリコールを届け出。
対象となるのはN-BOXのほかN-VAN、N-ONE、N-BOX SLASH、N-WGN、S660で、燃料ポンプに問題があり、最悪の場合は走行できなくなるというもの。
なお、実際に問題が68件発生しており、ホンダがこれを知ったのは「市場からの情報」で、つまりは消費者からの連絡にて不具合に気づいたということになりそうです。
対応としては燃料ポンプの交換を行う必要があるとされ、不具合の内容は下記の通り。
低圧燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)において、成形条件が不適切なため、樹脂密度が低くなって、燃料により膨潤して変形することがある。そのため、インペラがポンプカバーと接触して燃料ポンプが作動不良となり、最悪の場合、走行中エンストに至るおそれがある。
トヨタは新型ノア / ヴォクシーに早速リコール
トヨタは発売したばかりのフルモデルチェンジ版ノア/ヴォクシーにリコール。
運転支援装置(プロアクティブドライビングアシスト)が自動でブレーキをかけると、そのまま解除されないことがあり、その後ブレーキをかけたままで走行すると火災に至るもよう。
令和3年12月1日~令和4年5月25日に製造された1万8784台が影響を受け、実際に8件の不具合が確認されているようですね。
運転支援装置のPDA※において、制御プログラムが不適切なため、PDAによる減速制御中にブレーキペダルを操作すると、制御終了後もブレーキが作動したままとなる場合がある。そのため、加速不良が発生し、そのままの状態で使用を続けると、ブレーキ過熱により発煙し、最悪の場合、火災に至るおそれがある。
テスラはモデル3にリコール
そしてほかメーカーも直近でチョコチョコとリコールを届け出ており、テスラは「タッチスクリーンの反応遅れ」という不具合も。
実際に問題が生じたのは0件で、アメリカで不具合が報じられたことから日本でもリコールに踏み切ったようですが、「プログラムの更新」によって改善する、とのこと。
急速充電中またはその準備中に、タッチスクリーンの演算処理装置の冷却プログラムが不十分なため十分な冷却が行われない場合がある。そのため、 演算処理装置の処理速度の低下や再起動が行われ、タッチスクリーンが映らない、あるいは遅延し、最悪の場合ドライブモード(ドライブ、ニュートラル、リバースなど)や警告などの操縦装置等に係る必要な表示が行われず、衝突危険性が高まるおそれがある。
スバル・レヴォーグはエンジン始動不可のおそれ
そしてスバルは排気ガス循環装置に取り付けたセンサーの不具合にてエンジン始動ができなくなる可能性があるとしてレヴォーグ5万2841台をリコール。
なお、実際に発生した問題は549件もあり、やはりスバルの不具合の多さが立証された形です。
排気ガス再循環装置(EGR)に搭載した EGR 圧力センサにおいて、排気ガスに対する耐力が不足していたため、排気ガスによる腐食からセンサ出力異常を起こし、警告灯点灯、加速不良に至ることがあり、最悪の場合、エンジンが始動できないおそれがある。
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メルセデス・ベンツは最悪「火災」のおそれ
そしてメルセデス・ベンツは複合的な要因にて様々な問題が生じ、最悪は火災に至るとしてディーゼルモデルをリコール。
E220d、E220dステーションワゴン、E220d 4MATICステーションワゴン、S400d、S400d 4MATICの5モデル、合計2425台が影響を受けます。
実施に9台に問題が生じ、対策としてはプログラムの書き換え、必要であればパーツの交換を行う、とのこと。
ディーゼルエンジンに搭載されているクーラントポンプにおいて、軸受けシールの設計が不適切なため、作動の制御が行われている負圧回路へ冷却水が浸入し、負圧回路の関連部品が作動不良を起こすことがある。そのため、エンジン警告灯(MIL)が点灯する、出力が低下する、ブレーキ倍力装置の機能が低下する等の不具合が発生し、排気ガスの再循環装置(EGR)制御用の電磁バルブに作動不良が発生した場合においては、MIL点灯と共に排ガスが悪化し、更に短絡が発生すると発熱して周囲を溶損させることで、最悪の場合、火災に至るおそれがある。
さらにメルセデス・ベンツは「制動不能」の可能性も
加えてメルセデス・ベンツは別件にてブレーキの不具合によるリコールを届け出ており、これは「Rクラス」「MLクラス」「GLクラス」というちょっと懐かしいモデルの8021台が影響を受けます。
実際に発生した問題はなく、ドイツ本社の指示にてリコールを行うようですね。
ブレーキ倍力装置に装着されているラバースリーブにおいて、設計が不適切なためブレーキ倍力装置のハウジングとの隙間に浸入した水分が長期間排出されず、ハウジングが腐食することがある。そのため、腐食が進むとハウジングに穴が開くことで装置の機能が低下し、必要なブレーキ踏力が増加したり、制動距離が延びたりする。更に腐食が進むとブレーキ倍力装置が破損することで、最悪の場合、ブレーキペダルでの制動が不能に至るおそれがある。
アルファロメオはヘッドライトの光軸問題にてリコール
そしてアルファロメオはジュリアとステルヴィオのヘッドライトの光軸に問題があるとしてリコールを届け出ており、対策としてはセンサーのキャリブレーション実施だとアナウンスされています。
影響を受けるのは1307台。
アダプティブヘッドライトを制御するヘッドライトコントロールユニットにおいて、製造管理が不適切なため、ヘッドライトセンサーのキャリブレーションが適正に実施されていないものがある。そのため、車両の積載状態により、光軸が適正に修正されず、前照灯に係る保安基準第 32 条に適合しないおそれがある。
ベントレーはシートが「ずれる」
ベントレーはちょっと珍しい、「シートの取付に問題があり、シートがずれる」としてベンテイガV8、ベンテイガPHEV、ベンテイガW12の290台にリコール届け出。
物理的にシートを修正する必要があるようですね。
後席のスライド式シートレールにおいて、レールのアライメントが不整合な状態で取付けられ、座席固定溝の位置が僅かにずれているため、座席が確実に固
定されていないものがある。そのため、衝突時に座席が動き、最悪の場合、乗員が負傷するおそれがある。また、当該レール後端にストッパーが取付けられていないものがあり、座席を最後位置に移動した場合、カーペットを傷付けることがある。
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