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 恒例ゴールデンウイーク開催となった2022年スーパーGT第2戦は、5月2日(火・祝)に快晴の富士スピードウェイでGT500クラスの公式予選が争われ、19号車WedsSport ADVAN GR Supraの阪口晴南が、2021年の開幕戦でピンチヒッターを務めて以来のポールポジションを獲得。2番手には24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが続き、ヨコハマタイヤが最前列を固める結果となった。

 月曜平日となった前日搬入日には、関東と同様に富士山麓でも急な夕立に見舞われ、まとまった雨量を観測した静岡県御殿場市だが、雨雲が去った後にはサーキット上にくっきりとした虹が出現。この時点で祝日となる予選、決勝日とも晴天の予報が出されるなど、現地を訪れたファンにとっても絶好の観戦日和となった。

 9時の公式練習セッション開始時には18度だった路面温度も、気温上昇と日照により各クラス専有走行の10時半前には28度まで上昇し、約10度以上も変化するコンディションに。そんな条件ながら、セッションは開幕戦に続き一度もアクシデントのないスムーズな進捗を見せると、予選シミュレーションで1分27秒213の首位タイムを記録した37号車KeePer TOM’S GR Supraから、14番手の100号車STANLEY NSX-GTまでが0.844差と、ほぼ全車が秒差圏内に収まってくる。

 そしてここ富士で気になる最高速も、298.343km/hをマークした23号車MOTUL AUTECH Zを筆頭に、ニッサン、トヨタの各陣営も軒並み290km/h台後半を記録するなど、事前の公式テスト結果どおり昨季までとは明らかに様相の異なる展開となった。

■Q1 トムスが1-2で僅差のセッションを制す

 GT300クラスのQ1A組開始時点となる15時には、午前に対し16度と気温はわずかに下がったものの、路面温度は強い日差しの影響も受け23度を維持。450kmの3スティントでさらなる気温上昇も見込まれる明日の決勝を見据え、各車がどのようなタイヤコンパウンドを選択するか。その判断もグリッド位置勝負に大きく影響することに。

 GT500のQ1開始時刻となる15時33分を前にトラック上空には雲が目立ち始め、さらに路面温度の低下が予想されるなか、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTを先頭にホンダ、トヨタ、そしてニッサンの各車ともに早めの動き出しでコースへ。

 最後尾のニッサンZ GT500の2台を除き、各車入念なウォームアップでタイヤの発動を進めていき、計測5周目に先陣を切ってアタックラップに向かっていた100号車STANLEY NSX-GT牧野任祐は、Aコーナーでわずかにワイドになり、1分29秒台止まりに。一方、その背後に続いていたGRスープラ勢が軒並み1分26秒台に入れ、37号車KeePer TOM’S GR Supraの宮田莉朋が1分26秒340で首位に立つ。

 その前周、自身計測4周目から他陣営より早くグリップを得ていたニッサン勢では、続く周回で12号車カルソニック IMPUL Zが1分26秒989までタイムを伸ばして4番手に飛び込むも、23号車MOTUL AUTECH Zは1分27秒090と、26秒台に届かない。

 そしてチェッカーラップとなった計測6周目には100号車牧野が1分26秒746までタイムを伸ばし、コントロールライン通過時点で2番手に浮上するも、8号車ARTA NSX-GT、19号車WedsSport ADVAN GR Supra、38号車ZENT CERUMO GR Supraなど、後続が次々とタイムを更新。さらに36号車au TOM’S GR Supraのチャンピオン、坪井翔が1分26秒301までタイムを詰め、トムスが1-2体制でQ1突破を確定。

 開幕勝者の14号車ENEOS X PRIME GR Supraは、42kg搭載のサクセスウエイトも効いたか9番手止まりとなり、8番手のQ2進出カットラインとなった19号車まで首位からわずか0.468秒差という僅差のセッションとなった。

■Q2 気温が低下するなかヨコハマタイヤ装着マシンが好走

 GT300のQ2を挟み、西陽は差しつつもさらに気温低下となった16時11分より始まったQ2は、100号車STANLEYの山本尚貴を先頭に今回もピットロードでの待機組なく全8台がトラックイン。各車とも間隔を保ちながら、1分29〜30秒台でウォームアップラップを進めていく。

 やはり計測5周目にアタックを開始した100号車STANLEYが、まずは1分27秒241を記録。その直後、36号車auのジュリアーノ・アレジ以下、8号車ARTA野尻智紀、19号車WedsSport阪口晴南が続々と最速タイムを更新していく。さらに、8台中の6台目、7台目を走行した2台のニッサンZ、ミシュランタイヤ装着の3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zと、ヨコハマタイヤの24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zも、立て続けに2番手へと飛び込んでくる。

 そしてチェッカーラップとなった各車計測6周目は明暗分かれる展開となり、100号車は自己ベストを更新したものの8番手に終わり、ARTA野尻が意地を見せて1分26秒462を記録するも『走路外走行』によりベストタイム削除。しかし、勢いを見せたWedsSport阪口は1分26秒137までタイムを縮めて自身2度目のポールポジションを獲得。2番手には前ラップの結果で24号車が続き、ヨコハマタイヤ勢がフロントロウを独占。2列目3番手には3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが続き、4番手にはARTAのベストタイム削除によりKeePer TOM’S GR Supraという結果になった。

 明けた5月4日(水・祝)14時30分スタートの100ラップ、レース距離450kmの勝負は、例年の500km戦とは異なるレースフォーマットが採用されるだけに、各陣営のレース戦略を含め序盤から目の離せない展開となりそうだ。

抱擁する坂東正敬監督と阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)
抱擁する坂東正敬監督と阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)
2022スーパーGT第2戦富士 TGR TEAM WedsSport BANDOHを祝福する平手晃平(リアライズコーポレーション ADVAN Z)
2022スーパーGT第2戦富士 TGR TEAM WedsSport BANDOHを祝福する平手晃平(リアライズコーポレーション ADVAN Z)