5月29日、2022年MotoGP第8戦イタリアGP MotoGPクラスの決勝がイタリアのムジェロ・サーキットで行われ、チーム・スズキ・エクスターから参戦しているジョアン・ミル、アレックス・リンスは2戦連続となるリタイアという結果で終えてしまった。
予選ではミルが17番手、リンスが21番手と両ライダーがQ2進出ならず、初日から週末を通してマシンのセッティングに苦しんでいた。迎えた決勝では、21番手グリッドからスタートしたリンスは好スタートを切って、1コーナーに15番手で飛び込み、5周目にはさらに13番手まで順位を上げて追撃態勢に入る。一方のミルはスタートからペースアップに苦しみ、グリッドポジションをキープして走行を続けた。
しかし8周目にチーム・スズキ・エクスターに不運が襲いかかる。安定したペースに落ち着いたミルは徐々にペースアップを図るが、その直後の1コーナーで痛恨の転倒を喫してレースから離脱となった。さらに同周、ミルの転倒直後に12コーナーでリンスが中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)と接触し転倒を喫し、2台揃ってリタイアで終えた。
リンスは中上との接触について、自身のSNSで怒りを表していたが、レース終了後に次のようにコメントしている。
「接触したことに関して他車のライダーが危険なライディングをしたと思えたからレースディレクションに抗議をしたけどレースアクシデントだと判断されてしまった」
「転倒した1周前も彼を10コーナーから11コーナーでオーバーテイクしたんだけど、彼がスロットルを開けてブロックしてきて、接触して転倒した周回も同じようにオーバーライン気味でコーナーを周りこみ、自分がイン側にいるのに急にアクセルを戻して接近してきて、結果的に接触してしまったんだ。怪我がなかったから良かったけど、これからという時だったからノーポイントで終わってしまって残念で仕方ないよ」
リンスとの接触を受けて、中上もレース終了後に「リンスと接触してしまったんですけど、レース中のアクシデントで仕方ない部分もある」と語っていた。
今シーズン限りでMotoGP参戦終了をドルナと協議中と報じられた直後からの第7戦フランスGPに次いで第8戦イタリアGPも両ライダーがリタイアで終えるという、厳しい結果が続いている。チーム・スズキ・エクスターの撤退報道が両ライダーに与える不安やプレッシャーは大きいのだろうか。
■チームスズキエクスター
ジョアン・ミル(予選:17番手、決勝:リタイア)
「今週は自分のMotoGPクラスでのレースキャリアの中で、最悪なレースのひとつだったと言っても過言ではないと思っている。何を試しても的確なフィーリングを得ることができず、不安を抱えたまま決勝を迎えてしまった感じだったからね。過去のこのサーキットのレースではフィーリングも良かったし、高いパフォーマンスを見せることができたから、とても楽しみにしていたレースだったのに、期待とは全く反対の結果になってしまって本当に残念だよ」
「今日はスリップストリームを使ってコーナーに進入した時のブレーキングがほんの少し遅れたために転倒してしまったんだけど、怪我がなかったことが救いだった。来週のカタルーニャGPが始まる前に今週の問題をしっかり分析して、来週末には今週と全く違った結果を得ることができるようチームと共にしっかり準備していくよ」
■チームスズキエクスター
アレックス・リンス(予選:21番手、決勝:リタイア)
「順調にポジションを上げることが出来て、フィーリングも良かったので、これからさらにペースを上げていこうとした時に他車と接触して転倒してしまい、悔しいとしか言いようがないよ。次戦のカタルーニャは大好きなサーキットだから楽しくレースできることを願っている。そしたら結果は自ずとついてくると信じているしね」