6月2日、トヨタ自動車とウーブン・プラネット・ホールディングスは、手軽に水素を持ち運びでき、生活圏の幅広い用途で水素エネルギーを使用できるポータブル水素カートリッジ(水素カートリッジ)のプロトタイプを開発し、6月4~5日に富士スピードウェイで開催される『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』で展示を行うと発表した。
トヨタとウーブン・プラネットは、カーボンニュートラル実現に向けた様々な選択肢を検討するなか、水素を有力な選択肢のひとつとして位置づけている。水素は利用時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーであり、風力、太陽光、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーを使用して水素を製造すると、製造過程においてもCO2の排出を抑えることが可能だ。
今回開発された水素カートリッジのプロトタイプは、直径約180mm、全長約400mm、質量約5kgのポータブルサイズに抑えられ、カートリッジ型のため交換が容易ですぐに使用できることが特徴になっている。また、汎用性の高い仕様にすることで幅広い用途への適用が期待でき、小規模なインフラでも対応できるため、災害時にエネルギーが供給されず孤立する地域や、未電化地域などにエネルギーを供給できる可能性も秘めているという。
トヨタは、この水素カートリッジの開発を通じ、静岡県裾野市にてトヨタが建設を進めるウーブン・シティをはじめとした様々な場所での実証を通じて実用化に向けた検討を進め、水素が日々の生活で気軽に使用できるエネルギーになることを目指していくとしている。
また、今回の水素カートリッジは、ウーブン・シティなどでの今後の実証を通じて高圧水素タンクの前提で設計・開発を進め、より使いやすい水素カートリッジとなるように改善を重ねていくということだ。
なお、この水素カートリッジのプロトタイプは、6月4~5日にENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』が開催されている富士スピードウェイでも展示が行われる予定になっている。サーキットを訪れた際には、持ち運び可能な水素カートリッジを見てみよう。