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 2022年シーズンの100号車、STANLEY NSX-GTには、ルーフからリヤエンドにかけて『2本の赤いライン』が力強く描かれている。それは、3月16日に逝去された高橋国光さんのヘルメットデザインをモチーフとしたものだ。

 日本人として初めて世界の頂点に立ち(1961年ロードレース世界選手権西ドイツGP)、四輪ではF1やル・マン24時間、全日本GT選手権(JGTC)など国内外で数々の輝かしい成績を残してきた国さん。現役時代は『マシンを乗りこなす』ことに、引退後は『日本のモータースポーツを“文化”とする』ことに自らの100%を捧げてきてくださった。

 いまの僕たちがごく普通にモータースポーツに接し、その楽しさを享受できているのは間違いなく国さんの功績によるものだ。

 坂東正明GTA代表は「モータースポーツファンのみなさんと一緒に国光さんに感謝の気持ちを伝えたい」と表明し、スーパーGT第2戦富士の会場で追悼セレモニーを実施することを決めた。

 また、今季スーパーGT全戦の会場では追悼展示も行われる。北はスポーツランドSUGOから南はオートポリスまで、全国のファンが国さんへ『ありがとう』と伝えられる機会も用意されるという(ホンダブース内。富士と鈴鹿は1回目の開催時のみ)。

 メーカーの枠を超えたモータースポーツ界の至宝──偉大な存在を失った僕たちは、この先いったいどうすればいいのだろう。

 それはきっと、目の前のレースに手に汗握り、好きなドライバーやクルマを全力で応援して、目いっぱい泣いて、そして笑うこと。

 レースに興奮し、一喜一憂する僕たちの姿を国さんは空の上からずっと見守ってくれているはずだ。あの、いつもの優しい笑顔で。

『2022スーパーGT公式ガイドブック』の詳細はこちら
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