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 4月30日、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで2022年MotoGP第6戦スペインGPの予選が開催された。その後、ホルヘ・ロレンソがMotoGPレジェンドとして殿堂入りを果たす授賞式が行われた。

 当時の規則で出場最低年齢となる15歳の誕生日を待ち、2002年の第3戦スペインGP、125ccクラスでロードレース世界選手権デビューを果たしたロレンソ。2003年には第12戦ブラジルGPで初優勝を飾ると、翌年は3勝しランキング4位に入り、2005年から250ccクラスにステップアップした。

2002MotoGP 125cc:ホルヘ・ロレンソ(Caja Madrid Derbi Racing)
2002MotoGP 125cc:ホルヘ・ロレンソ(Caja Madrid Derbi Racing)

 2005年は優勝こそないものの6度表彰台に上り、アプリリアに移籍した2006年に10度のポールポジションと8勝を挙げ、初タイトルを獲得。2007年はポールポジションと優勝ともに9度獲得し、2連覇を達成すると2008年から最高峰のMotoGPクラスに昇格した。

2007MotoGP 250cc:2度目のタイトルを獲得したホルヘ・ロレンソ(Fortuna Aprilia)
2007MotoGP 250cc:2度目のタイトルを獲得したホルヘ・ロレンソ(Fortuna Aprilia)

 フィアット・ヤマハ・チームから参戦したMotoGPクラス1年目は、開幕から3連続でポールを獲得し、6度の表彰台でランキング4位となるとルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝く。

2010MotoGP:チャンピオンを獲得したホルヘ・ロレンソ(Fiat Yamaha Team)
2010MotoGP:チャンピオンを獲得したホルヘ・ロレンソ(Fiat Yamaha Team)

 2009年からはゼッケンを48から99に変更し参戦し、2010年は9勝し、表彰台は18戦中16度奪取。年間最多獲得ポイントの383ポイント(2019年にマルク・マルケスが記録更新)の記録を作り、MotoGPクラスで初めてのチャンピオンに輝いた。

2012MotoGP:最高峰クラス2度目の王者となったホルヘ・ロレンソ(Yamaha Factory Racing)
2012MotoGP:最高峰クラス2度目の王者となったホルヘ・ロレンソ(Yamaha Factory Racing)
2015MotoGP:最高峰クラス3度目、通算5度の王者となったホルヘ・ロレンソ(Movistar Yamaha MotoGP)
2015MotoGP:最高峰クラス3度目、通算5度の王者となったホルヘ・ロレンソ(Movistar Yamaha MotoGP)

 MotoGPクラスのタイトルは、ヤマハ・ファクトリー・レーシングで6勝した2012年、モビスター・ヤマハ・MotoGPで7勝を獲得した2015年の3度ヤマハで獲得し、通算5度のタイトルホルダーとなった。ヤマハでは2009、2011、2013年はランキング2位、2014、2016年は3位と上位を維持。そして、2017年からドゥカティ・チームに移籍し2シーズンを過ごす。

ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)
ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)

 ドゥカティ1年目は、3度表彰台を獲得したが、MotoGPで初めて未勝利のシーズンを過ごしランキングは7位。2018年は3度の優勝を獲得したが怪我による欠場も影響しランキングは9位に後退した。

2019MotoGP:ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)
2019MotoGP:ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)

 ロードレース世界選手権で18年、最高峰クラスで12年目となる2019年シーズンは、レプソル・ホンダ・チームに移りMotoGPクラスで3メーカーを渡り歩くことに。シーズンオフのテストで骨折、第8戦オランダGP前のテストでクラッシュし4戦欠場したことなどにより成績を上げられず、モチベーションも保つことができなくなったことで、2年契約の途中であったが、最終戦バレンシアGPを前に2019年での現役を引退した。

 ロレンソは、ロードレース世界選手権に参戦してきた18年間で、297戦に出場し、通算69度のポールポジション、152度の表彰台、68度の勝利を収め、タイトルは通算5度獲得した。そのうち最高峰クラスでは43度のポール、114度の表彰台、47度の勝利を挙げ、2896ポイントを稼いだ。

ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP

 2019年11月14日の引退会見では、ドルナスポーツの最高経営責任者カルメロ・エスペレータ氏から、MotoGPレジェンドとして殿堂入りすることが伝えられた。2020年の5月1~3日に開催されるMotoGP第5戦スペインGPで授賞式が行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響により延期。そして今回、授賞式が執り行われた。

 MotoGPレジェンドはロレンソで32人目。マックス・ビアッジ、ヒュー・アンダーソンの2名も加わることが発表されており、昨年11月にバレンティーノ・ロッシが一足先に殿堂入りしたため計35人となる。

ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP

■ホルヘ・ロレンソ(MotoGPレジェンド)
「20年前に(ロードレース世界選手権の)デビューをするためにこのサーキットにたどり着いたけど、僕は金曜日にはまだ14歳だったんだ。それでスクーターでいくつかのコーナーを見に行ったら、(ルーチョ・)チェッキネロ、上田(昇)、(アルノー・)ヴァンサン、(ダニ・)ペドロサ、(マヌエル・)ポジャーリといったライダーが走っていた。僕にとって、彼らはヒーローだった」

「そして、彼らのアグレッシブかつ速い走りをしているのを見て、いつか自分もそのレベルに達することができるのだろうかと思っていたんだ」

「そして今、常に僕をよく扱ってくれたドルナやカルメロからMotoGPレジェンドになる名誉を与えられたことを光栄に思っているよ。優勝したチャンピオンシップよりもさらに多くのことを意味するからね」

「MotoGPレジェンドたちは、偉大なチャンピオンだけど、すべてのチャンピオンがレジェンドになれるわけではないから、この素晴らしいグループの一員になれたことを誇りに思う。MotoGPのおかげで今の人生があるわけだから、本当にラッキーだし、感謝している」

MotoGP殿堂入りセレモニーに登場したホルヘ・ロレンソとロレンソの母/2022MotoGP第6戦スペインGP
MotoGP殿堂入りセレモニーに登場したホルヘ・ロレンソとロレンソの母/2022MotoGP第6戦スペインGP

■カルメロ・エスペレータ(ドルナスポーツ最高経営責任者)
「ホルヘはMotoGPにとって特別な存在だ。私が思うに、ホルヘはまず第一に、素晴らしい人間だ。とても感情的で、友人であり、何かをするたびに最大限の努力をする人であり、そして素晴らしいライダーでもある」

「ホルヘはこの世代では我々を成長させてくれたから、我々にとってとても特別な存在だ。ホルヘに感謝しており、第33代レジェンド・オブ・モトGPに選出されたことは、MotoGPにとって、そして私自身にとっても特別な瞬間だ」

「彼はMotoGPの歴史のなかで最も重要なライダーのひとりであり、彼にこの賞を贈ることができるのはとても光栄なことだ。ありがとう、ホルヘ」

ホルヘ・ロレンソMotoGP殿堂入りの記念メダル/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソMotoGP殿堂入りの記念メダル/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP
ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りセレモニー/2022MotoGP第6戦スペインGP

■MotoGPレジェンド一覧
ジャコモ・アゴスチーニ
ウェイン・レイニー
マイク・ヘイルウッド
ケビン・シュワンツ
アンヘル・ニエト
ミック・ドゥーハン
カルロ・ウビアリ
ケニー・ロバーツ
アントン・マング
ワイン・ガードナー
ジェフ・デューク
バーリー・シーン
フィル・リード
ジョン・サーティース
加藤大治郎
ジム・レッドマン
エディ・ローソン
フレディ・スペンサー
ヤーノ・サーリネン
ケーシー・ストーナー
マルコ・シモンチェリ
ニッキー・ヘイデン
アレックス・クリビーレ
フランコ・ウンチーニ
ケニー・ロバーツ・ジュニア
マルコ・ルッキネリ
ランディ・マモラ
コーク・バリントン
ダニ・ペドロサ
ステファン・ドルフリンガー
ホルヘ・マルティネス・アスパル
ホルヘ・ロレンソ
マックス・ビアッジ
ヒュー・アンダーソン
バレンティーノ・ロッシ