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■スズキが積極的に電動化をおこなう場合のメリット・デメリットとは

セレリオなど魅力的な車種を販売しているインドのマルチスズキ。スイフト+アルトといった雰囲気

 それでも将来の展望をいえば、スズキは最終段階までエンジン(内燃機関)を造り続ける。その理由は、スズキが日本では軽自動車、海外でもコンパクトカーを中心に出掛けているからだ。

 軽自動車やコンパクトカーは価格が安く、高コストなメカニズムは採用できない。商品開発と製造のコストを抑え、同じパワーユニットやプラットフォームを多くの車種で共通化して、量産効果を狙う必要がある。

 現時点の電気自動車では、量産効果は期待しにくいため、スズキが本格的な電気自動車を生産することは難しい。スズキが電気自動車を手掛けるとすれば、普及が進み、低コストによる開発と製造が可能になってからだ。

 軽自動車サイズの電気自動車も、まずは日産と三菱が2022年中盤に改めて参入して、国内市場の確立を開始する。2024年にはホンダとダイハツが軽商用車を含めて加わり、最後にスズキという順番だ。

 これではスズキが環境対応に消極的と受け取られるが、そうではない。まずスズキが扱う軽自動車とコンパクトカーは、もともとボディが軽く、燃料の消費量も少ない。

 特にスズキの商品は、ライバル車と比べてもボディが軽く、燃費性能も優れている。例えばアルトにマイルドハイブリッドを搭載したハイブリッドSは、109万7800円の低価格でWLTCモード燃費は27.7km/Lだ。

 軽自動車のナンバーワンで、本格的なハイブリッドのe-POWERを搭載するノートと同程度の燃費性能を達成した。スズキは昔から軽くて燃料消費量の少ないクルマばかり造ってきたから、「地球をどれだけ暖めたか」という観点で見ると、自動車メーカーでは環境負荷が軽い。