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■インドとトヨタと協業関係にあるスズキ

インドでの電気自動車および車載用電池生産に関する覚書をグジャラート州と締結、カーボンニュートラルに向けて約1500億円を投資

 それでも2022年3月には、スズキが力を入れるインド市場で、電気自動車と車載用電池の現地生産に約1500億円を投資すると発表した。インド・ジャグラード州と覚書を締結している。また2017年に遡ると、インド市場において、スズキとトヨタが電気自動車の投入に関して協力関係を構築することでも合意していた。

 スズキがインドにおける電気自動車関連の投資計画を発表した背景には、インドの意向がある。インドが新車に占める電気自動車の比率を、30%まで高める方針を立てたことだ。

 インドでは1年間に4輪車が350~400万台販売され、乗用車市場では、スズキが約50%のシェアを握っている。

 そして2021年にスズキは、インド市場で139万7249台の4輪車を販売した。日本市場は60万8381台(軽自動車:50万9168台・小型/普通車:9万9213台)だから、スズキにとってインドの販売規模は日本国内の2倍以上だ。最大の市場だから、インドが電気自動車を普及させる方針を打ち出すと、スズキも必然的に電気自動車へ力を入れる。既にスズキでは、現行ワゴンRをベースにした電気自動車の試作車を開発して、実証実験も行っている。

インドのキャリイは日本同様に実用性も抜群だ。スズキらしいクルマ作りはインドでも変わらない

 トヨタとの協業も進む。スズキはトヨタにインドで販売するグランザ(バレーノ)やSUVのアーバンクルーザーを供給しており、電気自動車については、トヨタから技術供与やユニットの供給を受ける。電気自動車を増やす方針を打ち出した今後のインドにおける商品投入では、低い価格帯はスズキ、電動車関連はトヨタが受け持つわけだ。