イタリア、サルディニア島を舞台に開催されているWRC世界ラリー選手権第5戦ラリー・イタリア・サルディニア。6月3日(金)はデイ2のSS2~7が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、2番手オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)と僅差ながら総合トップに立った。なお、SS8とSS9はキャンセルとなっている。
前日の2日木曜に開幕した今季第5戦イタリアは、このデイ2から本格的なグラベル(未舗装路)ラリーがスタートした。午前のループのオープニングとなったSS2では、前戦2位のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がベストタイムを刻み、総合首位に躍り出る。
しかし、続くSS3でマシンの下面と路面が強くヒットした影響で水漏れが発生。この影響でエバンスはデイリタイアとなってしまう。代わってトップに立ったのはチームメイトのラッピだったが、SS4でタナクに先行を許すと午前中最後のステージとなったSS5では左フロントのパンクに見舞われたこともあり、エストニア人ドライバーの後塵を拝しその差は3.7秒に広がった。
日中のサービスを挟んで実施された再走ステージのSS6でもタナクがベストタイムを記録し、両名のギャップは6.4秒に。だが、SS7ではラッピが反撃に出てステージ優勝を果たす。対するタナクは、トランスミッションのトラブルによって3輪駆動となりペースダウンを余儀なくされる。
この結果、両者のポジションが入れ替わり0.7秒差でラッピが首位に返り咲いた。首位を奪われたタナクだったが、直後に予定されていたSS8とSS9が安全上の理由でステージキャンセルとなったため、メカニカルトラブルによるタイムロスが最小限に抑えられている。
■3番手争いもヒートアップ
白熱するトップ争いの後方では、SS7でチームメイトのクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)を逆転したピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)が総合3番手につけた。タナクとのタイム差は14.4秒、僚友ブリーンとは0.4秒差だ。
また、SS4とSS5でベストタイムを記録したダニ・ソルドもMスポーツ・フォード勢の背後にピタリと付けており、総合3番手から5番手までが1秒差となっている。
3番手争いから14.7秒遅れたアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)は総合6番手。後方スタート組に対して不利となる出走順3番手でラリーをスタートした勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はそこから34秒離されての総合7番手となった。
同じく路面の“掃除役”を担った選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS4のコーナー部でラインが膨らみリヤウイングに大きなダメージを負うアクシデントがあったものの、総合8番手でデイ2を終えた。
総合9番手に終わったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)はSS5でミッショントラブルに見舞われ、トップから2分以上遅れている。ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)はSS3でのハーフスピン後、マシンの再始動に苦労した関係で総合12番手となった。
4日(土)のデイ3は、アルゲーロのサービスパークを起点に島の北部で8本のグラベルステージが行われる。デイ2と同様に午前中に2本のステージを各2回走行。午後も2本のステージを各2回走行していくが、日中のサービスが設定されていないためクルマを壊さないことが重要になる。SS10~17、都合8本のSSの合計距離は131.82km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は580.36kmだ。