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 シリーズ元9連覇王者にして、2022年の開幕戦ウイナーであるセバスチャン・ローブによる今季3度目のWRC参戦が発表された。ローブはイザベル・ガルミッシュとともにふたたびフォード・プーマ・ラリー1に乗り込み、世界ラリー選手権第6戦ケニアに出場する。

 Mスポーツ・フォードWRTは5月27日、ローブがみたびチームと協力してラリーに挑むことを発表。その舞台は昨年、19年ぶりにWRC復帰を果たした『ラリー・サファリ・ケニア』だ。

 首都ナイロビから北西に約100km離れたナイバシャを拠点にサバンナや同地域北部の森林地帯に設定されたグラベル(未舗装路)ステージで争われる同ラリーは、水たまりの横断やジャンプ、さらには野生動物も登場するなどアクション満載のイベントとなり、WRCのカレンダーを代表する1戦となった。

 第4戦ポルトガルで、金曜日に総合首位に立ちながら直後にクラッシュを喫しデイリタイアとなり、再出走を果たした翌日のデイ3ではターボのトラブルでラリーを終えることになったローブ。彼にとってサファリ・ラリーは、シトロエン・クサラWRCを駆りステージ優勝を3回記録し総合5位入賞を果たした2002年の初出場以来、20年ぶりの参戦となる。

「ラリー・ポルトガルに出場し、プーマ・ラリー1がグラベルでとても速く、競争力があることが分かってよかった。だが、ケニアはポルトガルとはまったく異なるものだ」と語ったローブ。

「現在の(サファリ・)ラリーのバージョンは知らないが、ビデオで見たステージは(20年前と)かなり違っていて、大きな石がゴロゴロしているような感じだった」

「ケニアはとても素晴らしく、もっとも思い出深いラリーのひとつだよ。当時のケニアは(他のWRCラウンドと比べて)とても変わっていて、一番長いステージは120kmもあり、ヘリコプターがクルマの上を移動し、ステージに接近する野生動物を知らせてくれたんだ」

「今では一般的なラリーの姿になっているようだが、ポルトガルと違うのは僕がこれらのステージの経験がないことだ。未経験のステージとなるといつもよりずっと複雑になる。簡単にはいかないだろうが、そこに行くことができることを本当にうれしく思う」

 なお、同ラウンドにはTOYOTA GAZOO Racing WRTからセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が参戦することが決定済み。これはケニアにおいて、開幕戦モンテカルロと第4戦ポルトガルに続く“ふたりのセブ対決”の今季第3ラウンドが実現することを意味する。

セバスチャン・ローブ駆るフォード・プーマ・ラリー1(Mスポーツ・フォードWRT) 2022年WRC第4戦ポルトガル
セバスチャン・ローブ駆るフォード・プーマ・ラリー1(Mスポーツ・フォードWRT) 2022年WRC第4戦ポルトガル