WRC 第4戦ラリー・ポルトガル デイ2
過酷なコンディションでの戦いとなったグラベルステージ初日
エバンスが総合1位、ロバンペラが総合2位につける
5月20日(金)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルの競技2日目デイ2が、コインブラを起点に行われ、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1 33号車)が総合1番手に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合2位につけ、トヨタGRヤリス・ラリー1は初のグラベルステージで高いパフォーマンスを発揮しました。なお、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(1号車)は、タイヤにダメージを負いデイリタイアとなりました。
木曜日の夜、古都コインブラ市街地のターマック(舗装路)ステージで開幕したラリー・ポルトガルは、金曜日の朝から山岳地帯に舞台を移し、グラベルステージでの戦いが始まりました。コインブラの東側に位置する、アルガニル地域は朝から天気が良く、日中は気温が30度を越える暑い1日でした。
デイ2は8本合計121.67kmのグラベル(未舗装路)ステージを、日中のサービスなく走行するタフなコース設定。そのオープニングの2ステージでエバンスが連続ベストタイムを記録し、首位に立ちました。その後、SS4で一度総合2番手に後退しましたが、SS5でふたたび首位に復帰。SS6とSS9でベストタイムを刻み、総合2番手に順位を上げたロバンペラに、13.6秒差をつけてグラベルの初日を締めくくりました。
一方、ドライコンディションのグラベルステージでは不利となることが多い、1番手の出走順で金曜日を走行したロバンペラは、クレバーな走りでタイムロスを最小限に留め、じわじわと総合順位を上げて行きました。そして、午後のステージでは2本のベストタイムを記録し、SS8で総合2番手に浮上。優勝を狙うことができる位置まで順位を上げて、デイ2を終えました。
開幕戦モンテカルロ以来の出場となるオジエは、SS5でベストタイムを刻み、総合3番手につけていました。しかし、午後の再走ステージは路面が非常に荒れ、軟らかい砂に覆われていた岩盤や尖った石が現れるなどタイヤにとって厳しいコンディションとなり、オジエはSS6とSS7で連続してタイヤの空気を失いました。残念ながらスペアタイヤを1本しか搭載していなかったため、競技を続行することができずデイリタイアとなりましたが、明日のデイ3で再出走する予定です。
なお、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからトヨタGRヤリス・ラリー1で出場の勝田貴元は、SS6でハーフスピンを喫してタイムを失いましたが、それ以外のステージでは安定して速いペースを保ち、SS7とSS8では3番手タイムを記録。その両ステージでトヨタGRヤリス・ラリー1は、トップ3タイムを独占し、荒れた路面での信頼性とパフォーマンスの高さを証明しました。1日の最後のSS9でエバンスに次ぐ2番手タイムを刻んだ勝田は、総合3位のダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)と5.2秒差の、総合4番手につけています。
■コメント
●ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
「トヨタGRヤリス・ラリー1にとって、グラベルステージでの素晴らしい初日になりました。合わせて6回のステージ優勝により高いパフォーマンスを備え、技術的な問題もないことが証明されました」
「エルフィンは朝の最初のステージを素晴らしいタイムで走行し、その後も安定した走りを続けました。カッレは出走順がトップだったにも関わらず、素晴らしい仕事をしてくれました。彼が総合2番手まで順位を上げ、2本のベストタイムを記録するなど、誰も予想していなかったはずです。また、貴元も総合4番手につけ、表彰台を充分狙える位置につけています」
「午後のステージはきっと荒れるだろうと予想していましたが、実際は昨年よりもさらに荒れていたように思います。深い轍が刻まれ、多くの大きな石が掘り出されたからこそ、セブを含む何人かのドライバーは問題に遭遇してしまったのです。明日もまた長い1日なので、集中して戦い続けなければなりません」
■明日のステージ情報
競技3日目となる5月21日(土)のデイ3は、ポルト北東に広がるカブレイラ山脈を中心に、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。そのうち、SS12/15「アマランテ」は、今大会最長となる全長37.24kmのロングステージです。そして、1日の最後にはポルトのドウロ河口沿いでスーパーSSが行われます。7本のステージの合計距離は今大会最長の164.98km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は643.14kmとなります。