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 スーパーGT第2戦富士の予選、ニッサン陣営にとっては24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが2番手、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが3番手を獲得するパフォーマンスを見せた一方、2台がQ1敗退という結果になった。そのなかでも気になったのが、同じニスモでミシュランタイヤを履く3号車と23号車MOTUL AUTECH Z(予選11番手)の順位。予選後、それぞれのドライバーに聞いた。

「千代(勝正)さんからのフィーリングを聞いてウォームアップがちょっと大変というところで、そこを重点的に意識しながらアタックに行こうと思ったのですけど、そのウォームアップでちょっと前に詰まってしまいました」と話すのは、Q2で予選3番手を獲得した3号車の高星明誠。

「クルマが何台か連なっていてキレイにウォームアップはできなかったのですけど、そのなかでの3番手タイムなので自分としては悪くないかなと思っています。ですけど、ウォームアップの部分でもう少しだけ行けたかなという気持ちはありますので、ちょっと悔いは残っています」と予選を振り返る。

 一方、3号車と同じミシュランタイヤながらQ1ノックアウトを喫してしまった23号車。予選11番手とは言え、3号車とのQ1でのタイム差はわずかコンマ3秒。23号車の方がサクセスウエイトが重いことを考えるとそこまで悲観することもなさそうだが、Q1アタックを担当した松田次生は悔しさを見せる。

「ウォームアップが思ったよりも苦労しましたね。フロントタイヤの温まりが少し良くなくて、コカコーラコーナーからのセクター2でタイムを上げられなかった感じですね。3号車とのコンマ3秒差、大きかったですね。1回目のアタックの時にコカコーラコーナーで曲がらなくて失敗して、最後もう一度アタックに行きました。(サクセス)ウエイトを積んでいるとはいえ、思ったよりもセクター2のペースが上がらなくて予想以上に苦戦しました」と次生。

「明日の決勝日の気温が上がると読んで、結構硬めのタイヤを選んでいるのですけど、予想以上に路面温度が下がったので、もうちょっと路面温度が上がってくれると、もうちょっと楽だったかなと。明日はまた天候も変わるので、また最後まで諦めずに頑張って追い上げます」と、前を向いた。

 今回のレースはニッサン陣営にとってある意味、試金石ともいえる一戦になる。低ドラッグでストレートでの強さをテーマのひとつとして開発されたGT500の新型Zにとって、今回の富士はその成果を示す絶好の場となるなか、ニッサンの松村基宏総監督は確実な手応えを感じているようだ。

「Q1を通らなかった2台はちょっとしたミスがあったり、12号車は四輪脱輪でリズムが狂ってしまったようで、それがなければQ2に4台とも通ったかはわからないけれども、今回は3号車がいいデータを取ってくれたのと、24号車があそこまで行ってくれたのを見ると、やっとライバルと戦えるようになったんじゃないかなと思っています」と松村総監督。

「予選では23号車がちょっとしたミスというか、失敗をしても他のチームが出てきてくれて、ありがたいなと思います。今回の決勝は長丁場なので、どのタイミングでタイヤを換えるのか。給油2回、ドライバー交代は1回マストのこのルールではじめてレースをするので、何が起きるのかわからない」

「岡山でもZは燃費が良かった。燃費はそれなりにいいので、決勝でも結構戦えるようになったかなと。4チームを支えている成果が出てきてよかったと思います。タイヤの面でも各メーカーともロングがいいので、ヨコハマタイヤもこれまでとは違うと思いますよ」と松村総監督。

 タイヤメーカーの違いはあるものの、予選では互角以上にライバルと戦えることを証明した新型Z。富士での決勝のパフォーマンス、そして目標としてきたストレートの強さをどこまで発揮できるかが今後のニッサン陣営の大きな指標となりそうだ。