5月3日、公式練習と公式予選が行われたスーパーGT第2戦富士『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』。GT300クラスに参戦するBUSOU raffinee GT-Rは、井出有治がQ1を担当。A組で2番手につけると、Q2では柳田真孝が1分35秒367を記録。Drago CORSEが2018年にGT300に参戦して以来、予選でのチーム最上位となる4番手につけた。
2021年までホンダNSX GT3を走らせてきた道上龍率いるDrago CORSEと、純国産、開発から製造のすべてを日本国内で行うなど、“ジャパンデザイン”をコンセプトに、日産車のエアロパーツを中心に手がけてきたBUSOUがコラボレーションし、2022年からスーパーGTに参戦することになったBUSOU Drago CORSE。
柳田真孝と井出有治というベテランふたり、ニッサンGT-RニスモGT3とダンロップという組み合わせは注目を集めていたが、第1戦岡山では決勝でポイントまであとわずかというところまで迫りながらも、惜しくも届かず。ただ迎えた第2戦富士では、公式練習から好調ぶりをみせた。そのタイムを見て、今回は予選Q1を井出に任せ、Q2に柳田を据える作戦を組むと、これが奏功。見事予選4番手を獲得し、上位を占めたダンロップ勢の一角を占めた。
実はこの4番手という順位は、2018年にDrago CORSEがGT300に参戦を開始してから予選での最上位だ。道上龍監督も「4番手は初めてですよ」と喜んだ。ちなみに、道上監督は「本当はいっていたかもしれませんけどね。いろいろあったじゃないですか（笑）」と続けたが、これは2018年第5戦富士のこと。走り出しから絶好の感触を得ていたが、TGRコーナーでトラブルに見舞われたGT500車両にヒットされ、車両交換まで至ってしまったあのレースだ。
「ふたりの速いドライバーがいて、予選が成り立つんですよね。10年前のGT500と同じくらいで走っているくらいですから。今回は井出にQ1にいってもらった作戦もうまくいきましたし、GT-Rも強いコースで、ダンロップも良いパフォーマンスがあります。同じパッケージのGAINERさんと近いところで戦えているので、クルマの方向性も良いのかな、と思っています」と道上監督は予選を振り返った。
そして、ドライバーふたりもBUSOU raffinee GT-Rに好感触を得ている。Q1のアタッカーを務めた井出は「クルマ降りてモニター見たら、あまりに僅差なのでビックリしました。富士はGT-Rに合っているだろうな、ということもありますし、クルマも岡山の後からセットアップも含めて用意してくれていたので、走り出しからフィーリングは良かったです」と振り返った。
またQ2を担った柳田も「チームが本当に良いクルマを用意してくれましたし、良い流れに乗っています。岡山の後からチーム、伊与木仁エンジニアがいろんなことを考えてくれたことがうまくいっていますし、タイヤもうまく決まっています」という。
「富士は公式テストのときからなんとなく良さそうな感じがありました。今日の公式練習も、最後の専有のときもいける感触がありましたし、井出さんも乗れている。クルマが良いので、ドライバーも攻めていけます。僕のなかではGT-R最上位になりたかったので少し悔しいところはありますが、最初のステップとしては良かったです」
まだGT-Rとダンロップというパッケージでのレースは2戦目。しかし、強力なエンジニアリング体制、そしてDrago CORSEのチーム力、ベテランのテクニックでレースでも期待はかかる。「レースはまだ分かりませんが、前の順位からスタートすればやりようはある。しっかり走りきりたいですね」と柳田。
そして井出も「路温も上がりそうなので、ファーストスティントでタイヤマネージメントをうまくやると、その後のレースの幅も広がると思います。それをこなせれば、良い結果が見えてくるのではないでしょうか。岡山でもレースラップは決して悪くなかったですからね」と語った。
「このクルマはレースにも強いと思いますし、そういう意味でもレースは慌てずいければと思います。ドライバーはふたりとも経験もあるので、気負わず集中していきたいですね」
チームの決勝での最上位は3位。体制を一新した2022年、第2戦にして表彰台を争うレースになるのか。BUSOU raffinee GT-Rの第2戦には注目しておきたいところだ。
