5月2日、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで2022年MotoGPクラスのヘレス公式テストⅡが開催され、レギュラーライダーとテストライダーのロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)、ステファン・ブラドル(Team HRC)の26名が参加した。
2022年はシーズン中に3度のオフィシャルテストを計画。最初のオフィシャルテストはこのヘレステストで、残りは6月6日のカタルーニテスト、9月6~7日のサンマリノテストが実施される。
今回のヘレステストⅡは、ドライコンディションで行われ、気温は21度まで上昇した。26名が参加できたが、右手を負傷しているラウル・フェルナンデス(テック3KTMファクトリー・レーシング)、ブラドルは走行を行っていない。
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は17周目に1コーナーで転倒を喫して、メディカルセンターでの検査で骨折がないことが確認されたがそこでテストを終了。左膝の靭帯を再び痛めたことからスペイン・バルセロナの病院でMRI検査を行うためサーキットを後にした。そのため、走行した16ラップで20番手タイムに終わった。
トップタイムは1分37秒136を記録したヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)だ。ドゥカティ勢は、エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)がデスモセディチGP22のフロントフェアリングをGP21に使用した。
ファクトリーのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は第5戦ポルトガルGPで右肩を強打したことから午前に24ラップを走行して12番手、ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)はいくつかのセッティングを試して、53ラップを走り4番手となった。
KTM勢は、ファクトリーのふたりが形状が異なるエキゾーストをテスト。ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)はジオメトリーとフロントフォークのテストプログラムに着手して、転倒を喫しながら2番手タイムをマークした。
新エキゾーストを試したミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は21番手、レミー・ガードナー(テック3KTMファクトリー・レーシング)は転倒した際に左手の小指と背中を負傷し、22番手となった。
ヤマハ勢は新フロントフェンダーと新スイングアーム、より大きなブレーキディクスを準備。ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がいくつかのセッティングを試しながら78ラップを周回して3番手となった。
その他の3人もいくつかのセッティングをテストした。また、チームディレクターのマッシモ・メレガリは、第8戦イタリアGPから新しいエアロパッケージを投入することを明かしている。
ホンダ勢は2022年型RC213Vの理解度を高める目的で周回を重ね、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は、2021年のエアロボディを含む3機を準備。ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)は、グリップが低下した際のパフォーマンスを向上させる目的でユーズドタイヤを装着して走行した。
スズキはジョアン・ミルとアレックス・リンスともに新フロントフォークとスイングアームのテストプログラムに取り組み、ミルは66ラップで6番手、リンスは67ラップで8番手を記録した。
好成績を残してコンセッション(優遇措置)が剥奪されたアプリリアは、サスペンション、電子制御、スイングアームのテストに着手。アレイシ・エスパルガロは46ラップで7番手、マーベリック・ビニャーレスのマシンは技術的な問題が発生してストップさせる場面もあったが59ラップを周回して16番手となった。テストライダーのサバドーリもまた、週末のテストプログラムを継続したが、エンジンが破損した。
次戦のMotoGP第7戦フランスGPは、1週挟み5月13~15日にル・マン-ブガッティ・サーキットで開催される。