高速道を使ったドライブや長距離移動の際、食事や休憩、あるいはトイレでどこに止まることが多いだろうか? 緊急ならばPA(パーキングエリア)でも事足りるが、ついでになにか食べたり、買い物したりとかであればSA(サービスエリア)を選ぶことが多いのではないだろうか?
今回は、さらにお楽しみ要素を加えた豪華なSA、「ハイウェイオアシス」だ。2022年4月25日に首都高速初のハイウェイオアシス「川口ハイウェイオアシス」がオープンする。その注目ポイントをご紹介しよう!
文/藤田竜太、写真/首都高速
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■首都高に「オアシス」ができる!?
2022年4月25日首都高初のハイウェイオアシス「川口ハイウェイオアシス」がオープンする。ところでハイウェイオアシスって何???
これまでPA(パーキングエリア)はあっても、SA(サービスエリア)はなかった首都高速に、この春、ハイウェイオアシスが誕生する! もともとSAとPAに明確な区別はなく、高速道路上にPAはおよそ15km間隔に一つ、SAは50km間隔に一つを目安に設置されることになっている。
規模はPAよりもSAが大きく、PAは、ドライバーの疲れや緊張をとるためのサービスを提供している休憩施設で、SAは、人と車が必要としているサービスを提供できる休憩施設とされている。
SAにはフードコート、レストラン、総合案内所、ガソリンスタンドなどが揃っていて、PAはトイレと自動販売機しかない小規模なところもあるが、中にはガソリンスタンドやスナックコーナーがあるところもあって、SAとPAの区別は意外に曖昧だ。
ところで、首都高にオープンする「川口ハイウェイオアシス」だが、これは高速川口線上り川口PAがリニューアルされてハイウェイオアシスに生まれ変わるもの。
ハイウェイオアシスになることで、川口市が整備する公園「イイナパーク川口」と連結し、首都高からも、一般道からも公園へ直接アクセスできて、首都高を降りずに公園や地域を散策することが可能になるのが一番のトピック。
また、子どもが雨の日でも体を動かし、楽しく遊ぶことができる全天候型の屋内遊具施設(一部屋外エリアを含む)も同時オープンし、小型車、大型車、バス優先駐車マスを拡大。駐車台数はいまの川口PAの2倍になる。
さらに、新設のトイレが加わり、トイレが合わせて2棟になるほか、商業施設(食堂・売店等)を公園側の新店舗へ移転。EV用急速充電器を移設される予定だ。
こうしたハイウェイオアシス、首都高ではこの「川口ハイウェイオアシス」が初の施設になるが、2021年8月現在、全国に29か所あるといわれている。
全国初のハイウェイオアシスは、北陸自動車道 徳光PA(上り線)に連結する徳光ハイウェイオアシス(はくさん街道市場、松任海浜公園)で、1990年にオープン。まだまだ数が少ないので、身近な施設とはいえないが、そもそもハイウェイオアシスとはなんなのか?
NEXCOでは、「ハイウェイオアシスは、サービスエリアやパーキングエリアに接続し、高速道路を出ることなく、公園などの潤いスペースを利用できる施設です」と説明している。
運営は高速道路会社ではなく、地元市町村や民間企業(第3セクター)が行っている。簡単にいえば、高速道路の休憩施設+都市公園あるいは道の駅=ハイウェイオアシスだと思えばいい。
■PA・SAとの違いは?
PA・SAとの最大の違いは、PA・SAがクルマを利用する人たちの休息・休憩を目的にしているのに対し、ハイウェイオアシスは地域文化を楽しむことを目的している点。
そのため、ハイウェイオアシスには、地域の特色を生かした産直市場や、地元食材を使ったレストラン、レクリエーション施設、ショッピングモール、都市公園などを備えたレジャーゾーン、文化施設などが揃っている。
観覧車など遊園地のようなアミューズメント施設やアスレチックなどがあるところもあるが、基本的に入場は無料(乗り物代は別)。温泉入浴施設まであって、一日中過ごせるようなハイウェイオアシスも少なくない。
その筆頭が、伊勢湾岸自動車道の刈谷PAと直結している「刈谷ハイウェイオアシス」。ここの年間来場者数は800万人に達し、2014年には、国内テーマパークの来場者数ランキングで、東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に次ぐ第3位となり、大きな話題となったところだ。
ここには初期投資だけで1億2000万円といわれる、高級ホテル並みのトイレや、無料で貸し出している観覧客500人収容のオアシスステージがあり、アトラクションゾーンも入場無料で、ゴーカートやメリーゴーランドなどの有料アトラクションも50〜100円と非常にリーズナブル。
弱アルカリ性高張性温泉の「天然温泉かきつばた」もあれば、「産直市場おあしすファーム」や「おさかな工房」、「えびせんべいの里」(名物のえびせんべいが試食無料)まであって、リピーター続出。もはやテーマパークを越えた地域密着型の複合レジャー施設として、全国から注目を集めているほど。
他のハイウェイオアシスも地元とタッグを組んで、それぞれ工夫を凝らしているので、これからのハイウェイオアシスは、単なる経由地点、休憩地点にとどまらず、ここが目的地になる可能性を秘めている。
交通のアクセスが抜群で、入場料や駐車場料金が無料という強味もあるし、変化し続け、アップデートを怠らなければ、まだまだ人気スポットになる可能性が! この春のドライブシーズンは、そんなハイウェイオアシスを目指して、足を伸ばしてみるのもいいのでは?
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余談だが、8月10日は「ハイウェイオアシスの日」と呼ばれている!?(1987年8月10日に「フリーウェイオアシス」から「ハイウェイオアシス」に呼称が変更になったため)
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